テニスのガット張り テンションは硬さではない

「~ポンド(張力)」は
張りの硬さではない

硬さには隠れた混乱がある

テニスラケットの中で、実際にボールが当たるのはフレームではなくストリング面です。
ですから、「ストリング・セッティング=どんな種類のストリングをどれくらいの硬さに張るか」はショットの結果に大きな影響を与えます。
特に、「どれくらいの硬さに張るか」というのは、「どんな種類のストリングを張るか」より重要と言えるかもしれません。
でも、これについては、テニス界全体が「隠れた混乱状態」にあると言って良いでしょう。

「重さ」は「硬さ」ではない

その、「隠れた混乱状態」とはいったい何でしょうか。
その混乱の大元は「張りの硬さ=テンション」という誤解にあります。


この「テンション(=緊張、張力)」ですが、ストリングを張るときの「引っ張る力」のことです。
その「引っ張る力」の単位として使われるのが「ポンド(単位:lb)」で、これは重さの単位です。
(50ポンド = 50lbs ≒22.7kg)
ここでおわかりかと思いますが、ここには「硬さ」という言葉が出てきません。
「テンション」は、「引っ張る力」のことで、その力の大きさを表すのに「重さ」の単位を使っていますが、「硬さ」を示す数値ではないのです。

【強い張力】≠【硬い張り上がり】

「そうは言っても、強く引っ張りながら張れば硬い張り上がりになるじゃないか」と言われそうですが、そこに誤解が生まれる下地があるようです。
「強く引っ張れば硬い張り上がりになるだろう」という判断は、ある面では妥当と言えるのですが、あくまでそれは「推測」であって、「計測結果」ではありません。
簡単に言えば、「強く引っ張っても、作業途中でゆるんでしまえば、硬い張り上がりにならないこともある」わけです。
ストリング・マシンの性能やストリンガーの技術内容等の「結果を変化させる要素」がある場合は、結果を検証せずに、必ず硬く張り上がるとは言えないわけです。

テンションは硬さの要素の一部

「テンション」は張り上がりの硬さが変わる要素の一つではありますが、全てではありません。
張り上がりの硬さが変わる要素には、テンションの他にもたくさんあります。
ストリングマシンの性能
張る人の作業内容
ストリングの種類
ラケットフレーム(フェースサイズ、剛性、グロメットの構造)

等々、さまざまなものがあるため、「テンション」だけで硬さが決まるわけではないのです。
最近は特に、ラケットのグロメットの素材や構造が張り上がりの硬さに大きく影響することが多くなっているように思います。

ガット張りは「手作業」

特に、ガット張りというのはストリングマシンを使うために「機械作業」のようなイメージがあるようですが、実際には、ストリングマシンという機械を使う【手作業】なので、マシンの数値をセットしたら、即できあがりの状態が決まるというような簡単な性格のものではありません。
ちょうど、ハタ織り機で布を織るようなものです。
ハタ織りの機械を使うからといっても、実際には人の手で布を織るので、同じ材料を使っても仕上がりは人によって違います。
ピシッとした仕上がりになるか、グズグズになってしまうかは人それぞれということです。
紡績機で自動的に布ができあがるのとは根本的に話が違うのです。
料理に例えると、同じレシピを元にして料理を作っても、料理人によってできあがりの味や美味しさは変わるわけで、同じレシピで作れば料理の味が一緒になるというわけではないのです。
ですから、「テンション」で張り上がりの硬さが決まると考えるのは完全な誤解なのです。
では、「テンションの数値」を「張り上がりの硬さ」だと思い込むようになったのはなぜなのでしょう。
それには理由があるようです。

結果の「数値」がない

その理由とは、「結果の数値がない」ということにあるようです。
張り上がったときのストリング面の硬さが数値化できていれば、それで話が済むはずですが、ガット張りの際の数値が「マシンの張力」しかないので、便宜的にそれを使って「硬さ」を推測しているというのが現実です。
つまり、レシピだけで料理の味を判断しているようなもので、本来であれば、できあがったときに味見をすれば良いはずですが、それをしないので、「レシピ=できあがりの味」だと思いこむようになってしまったわけです。
ガット張りも、張り上がったときにストリング面の硬さを計測をすれば、それが実際の「硬さの数値」です。
でも、それが計測されていないケースがとても多いので、張ったときの【重さ】の数値で結果の【硬さ】を推測しているということです。
つまり、【結果】がわからないので【設定】を結果だと思い込むようになったということです。
世の中のどんな仕事でも「結果のチェック」というのは欠かせないはずですが、テニスのガット張りについては、そのチェックがないケースが圧倒的に多いというのが現実なのです。

張り上がりの硬さ=面圧

「張り上がったストリング面の硬さ」は通常、「面圧」と呼ばれています。
実際には、「張り上がりの硬さ=面圧」を測定する機械は30年以上も前から存在します。
「張り上がったストリング面に一定の荷重を加えてどれくらい沈むかを測定する」というとてもシンプルな構造の測定機(ラ・テスト社)ですが、シンプルなだけにわかりやすいとも言えます。
テンションは硬さではない
ただ、この測定機の値段は安いストリングマシンが買えてしまうくらいなので世間一般にはあまり広まっていないのも事実で、そのため、多くの場合、張り上がった後の硬さ測定は行われていないのが普通のようです。
そしてそれが、「ポンド=硬さ」という誤解を生む下地になっているわけです。

「何ポンド」では硬さが想像できない

テニスワンでは、ラケットドックというラケットフィッティングのイベントを継続的に実施していて、これまで10,000名以上の方々にご参加いただきました。
そこでは、フィッティング前に参加者のラケットの現状面圧(ストリング面のかたさのこと)を測定するのですが、45ポンドと表示してあるラケットのほうが、55ポンドというシールの貼ってあるラケットより硬い張り上がりになっているケースなどはザラにあります。
このように、実際の事例を見る限り、「何ポンド」という表示では、およその硬さも推測できないというのが現実です。

「テンション」という硬さの数値でないもの
を使ってストリングの硬さを論じたり、張り上げのオーダーをしたりという現状が改善されない限り、「隠れた混乱状態」は収まらないと思われます。

打ちやすい硬さ

テニスワンでは、「張り上がった硬さ」で張り上げのオーダーができます。
そしてさらに、これまでの10,000名以上のラケットフィッティングの実績を通じて、「プレーに適した張り上がりの硬さのおおよその範囲」を把握しています。
これは、「プレイヤーの好みに合わせた硬さ」ではなく、「プレー上で運動効率の良い硬さ」ということです。
そしてもちろん、その硬さとは「テンション」ではありません。
適切な硬さ(面圧)に張り上げるには、モデルが変わればテンションも変ります
ということで、「打ちやすい硬さ」に仕上げるために使用するテンションは、フレームの種類とストリングの種類ごとに違うわけで、そうしたノウハウの蓄積がないと、「張り上がった硬さ=面圧」で張り上げのオーダーを受けることができません。

必要以上に硬い張り上がりになっているケースが多い

テンションの数値を指定して張上をオーダーした場合、最近のストリング・マシンの性能向上によって、必要以上に硬い張り上がりになっているケースが多く見られるようになりました。
昔の50ポンド~60ポンドが適正という昔の感覚では、プレーと身体に悪いセッティングになる可能性が高いと言えます。
面圧で指定できればそうした懸念は少ないと思いますが、テンション指定しかできない場合は、比較的に低めの数値を指定したほうが無難でしょう。

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