ガット張りの適切な硬さの探し方

ガット張りの適切な硬さは
どうやって見つければ良いか

実証

テニスワンでは、ラケットドックで10,000名以上のプレイヤーについて、ガット張りとプレーの状態の関係を見てきましたが、そこでは、これまでの「ガット張りの常識」とは反対のことが起きています。

1.「飛びすぎてアウトが多い」とコメントするプレイヤーの多くはガット張りが硬過ぎる

2.ゆるく張っているプレイヤーの打球はアウトが少なく、逆に、飛びが悪くて打球が失速して入っていることが多い

こうした事実から言えるのは、「硬いとボールが飛ばない」「柔らかいとボールが飛ぶ」という「これまでのガット張りの常識は必ずしも正しくない」ということです。

当たり前の結論

突き詰めれば、「ベストな硬さから外れたら硬くても柔らかくても飛びが悪い」というのが私どもの結論です。
「言われてみればそうだよね」というような当たり前の結論で恐縮ですが、こうした当たり前のことが世間で当たり前になっていないことが、ガット張りで損をしている方が多い原因だと思います。

ガット張りの
目指すべきゴール

テニスのガット張りで目指すべきゴールは「楽な運動で強烈な打球」であり、勝つことを目指してガット張りを考えるのであれば、誰しもこのゴール設定には異論はないと思います。
なぜなら、良いショットを打つのにがんばらなければならない状態では長い試合を勝ち抜くことができないからですが、かと言って、楽に打てても打球に勢いが無ければ防戦一方になって楽にはプレーできません。
ですから、勝つことを目指すのであれば、「楽に打てること」と「勢いのあるショット」の両方とも絶対に欠かせない条件なのです。

飛びが良いことが必要

ここで気付いていただきたいのは、「楽な運動で打てる」ことと「強烈な打球」は、両方ともボールが良く飛ぶことから発生するということです。
飛びの悪いラケットでは楽には打てないし、「強烈な打球」は打球が勢いよく飛んでいる状態のことです。

ですから、勝つために必要なのは「ボールが良く飛ぶようにガットが張られたラケット」なのです。

飛びすぎるラケットでも
アウトは増えない

こんなふうに書くと「ボールが良く飛んだらアウトが多発するじゃないか」と感じた方が多いと思いますが、でも実際には、そんなことは起こりません。
なぜかというと、テニスプレイヤーにはもれなく「打球がコートに入るように打つ」という隠れた本能があるからです。(この本能がない人は残念ながらテニスプレイヤーとは言えません)
ですから、「ボールが良く飛ぶ」という状況で実際に起きることはスイングの萎縮等の「プレイヤーの運動の抑制」、あるいは、「打球の回転量の増加」です。
飛びすぎの状況でどちらが発生するかはプレイヤー次第なのですが、そうした状況では誰でも例外なく、ボールを打つときの対応を変化させて結果的に打球がコートに入るような打ち方になります。
良く飛ぶラケットで打球がずっとアウトし続けるというケースは、ちょっと考えるとありそうですが、実際にはあり得ないわけです。

飛びの悪いラケットでは
回転をかけにくい

飛びすぎの状況では「打球の回転量の増加」が発生するという現象を裏返せば、飛び過ぎでない状況では回転量の増加は起こらないということがわかります。
これは、回転をかけなくてもアウトしないラケットでスピンをかけると球足が短くなってしまうからです。
ですから、回転をかけなくても打球がコートに収まるような飛びの悪いラケットでは、威力のあるスピン系のショットを打つのは難しいので、スピンをかけなければ打球がバックネットを直撃するような飛びの良いラケットでなければ、強烈なスピンショットは打てないわけです。
実際問題として、スピンをかけたいのにうまくいかないという方は飛びの悪いラケットを使ってるケースが多いのです。

プレイヤーの運動の抑制

スピン量の増加ではなく、「プレイヤーの運動の抑制(スイングの萎縮等)」が起きる場合は、ラケットが飛びすぎの状態なので変更が必要です。
ただこの場合も、実際にアウトが増えるわけではなく、スイングが中途半端になったり、運動に躍動感が無くなったり、下半身と上半身の動きに連動性が無くなったりという現象が発生するだけで打球はコートに入ります。
そして、運動を抑制して打球がコートに入っている状態は決して楽なものではなく、ギクシャクして疲れる上に運動の精度も低下します。
変に抑えるより運動を気ままに開放したほうが動きにキレが出て、ストレスと疲れがたまりません。

飛びの悪いラケットで
アウトが増える仕組み

「飛びすぎてアウトが多い」とコメントするプレイヤーの多くは、力を入れてしっかり打っているのですが、アウトが多いのはそれが原因です。
ちなみに、ラケットドックの参加者への事前アンケートの中に、現状のラケットの問題点について「しっかり打った時にボールが飛びすぎる」というチェック項目があるのですが、実はこれ、ラケットの問題を探るのではなく、プレイヤーの意識を探るための引っかけ問題なのですが、この項目にチェックする方がとても多いのです。
力を入れてしっかり打ちたくなってしまうことがアウトの原因なのですが、がんばってしまうのはラケットかガット張りが不適切だからで、力を入れてしっかり打ちたくなってしまうのはラケットの飛びが悪いことが原因です。

飛びが悪いラケット
⇒球足が短くなり勢いが出ない
⇒力を入れて打つことで何とかしようとする
⇒力を入れるとヘッドが走らずスッポ抜けが増える
⇒アウトが多いと硬く張って飛びを抑えようとする
⇒さらに力を入れ打つのでアウトが増えるという悪循環にハマる

こうした仕組みで硬く張れば張るほどアウトが増えるのですが、硬く張ってもアウトが減らないプレイヤーの多くは、内心はもっと硬くしたいと思っていることが多いようです。

ガットを硬く張ってもアウトは減らない!
アウトを防ごうとして張りを硬くする方が多いのですが、実際にはこれは逆効果になることが多く、飛びの悪いラケットでは力んで打つようになるので、アウトが逆に増える傾向があります。スッポ抜けずに入ったとしても、その打球は失速している可能性が高いでしょう…

柔らかいと良く飛ぶ
というのも迷信

力を入れてガンガン打ちたいと思っているプレイヤーが居る一方で、できるだけ楽に打ちたいと思っているプレイヤーも居ます。
そして、そういう方はガットを柔らかく張って楽に打とうとするのですが、適切な範囲を外れて柔らかくすると当初の目的は達せられず、楽には打てなくなります。
というのも、ガットの張りが柔らかすぎると、飛んできたボールのエネルギーを吸い取ってしまうようなガットの反応になるので飛びが悪くなるからです。
ちょうど、コンクリートの上なら弾むボールが柔らかい砂の上では弾まないのと同じ理屈です。
柔らかい張上で打ち出されたボールのスピードが遅いケースが多いのは飛びが悪いことの証明です。

手応え(打球感)で
チェックする

【手応えが硬いと】
ガットを硬く張ると、当然ですが、手応えが硬くなります。
インパクトでガツンという打球衝撃があるのですが、こうした衝撃が予想されるときにグリップを柔らかく持っているとブレて弾かれてしまうので、反射的に力が入るようになります。
そして、力を入れると筋肉が固まるので、リストを柔らかく使うことができなくなってラケットヘッドのスピードが出にくくなります。
ヘッドスピードはボールを打ち出すエネルギーの源泉なので、それが不足していると打球の勢いはなくなります。
ガツンという手応えを感じながら力を入れてしっかり打っていると、プレイヤーにはそれなりの達成感があるのですが、力を入れている割には打球に勢いがなく、相手から簡単に打ち返されるという「報われない状況」に陥りやすくなります。

【手応えが柔かいと】
ガットを柔らかく張ると手応えも柔らかいのは間違いないのですが、そこに「ズシン」という重さの感覚が生まれる場合は適切な範囲を超えて柔らかすぎという状態です。
この感覚に「ホールド感」という名前を付けて好む方も居るのですが、「ボールを持っている感覚」が生まれると、それに対して力を入れて押し返すような運動が起きやすくなるので、決して楽ではありません。

手応えが硬くても柔らかくても良くないわけですが、もっと言えば、「打球感の発生=伝達ロスの発生」なので、「打球感が好き」ということ自体がダメな状態を示しているわけです。

テニスラケットの打球感は伝達ロス!
テニスラケットの打球感は単なる伝達ロスです。なので「好きな打球感」のラケットを選んでいると負けやすい状態に陥る可能性があります。打球感が無いのが最高なのに、打球感をしっかり感じるラケットを選ぶといろいろな弊害が生まれます…

スナップバックで
チェックする

ガット張りの硬さを判断する上でもう一つの重要な基準があります。
それは、「スナップバックがきちんと機能するかどうか」です。
スナップバックとはボールがガットに当たったときにガットが動いて戻る現象のことで、インパクトでガットが動くことでボールの食い付きが生まれ、動いたガットが戻るときに打球に回転とスピードが加えられるという機能があります。
そして、この機能がきちんと発揮されるかどうかについてはガット張りの硬さがキーポイントなのです。

というのも、張上が硬いとボールが当たったときにガットが動かないので食いつきが生まれず、動かないガットは戻りもしないので回転もかかりにくくなるのです。
その結果、回転不足のスッポ抜けが出やすくなるのですが、これが、硬く張ってもアウトが減らないことの原因の一つだと言えるでしょう。

この逆で、張上がゆるいとインパクトでガットが動くのですが、ゆるすぎると戻らないので、飛びを抑え込むための回転がかかりにくくなります。
そうすると、押さえのきかない打球がフワッと浮いていくのですが、これが、張上が柔らかいと良く飛ぶと言われることの原因かもしれません。
でも、そうした打球には威力もスピードもないので飛びが良いわけではありません。

スナップバックがきちんと機能すれば、振れば降るほど打球が安定して入る状態が手に入ります。
でも、その硬さの範囲はとても狭いので、それより硬くても柔らかくてもスピンコントロールが難しくなります。
スピンをかけている感覚が消えて「気ままに振ればかかってしまう状態」を見つけてください。

スナップバックで適切な硬さを判断する
「スナップバック」はスピンコントロールに欠かせない機能ですが、これが働くためには適切な硬さに張り上げることが第一です。張上が硬くてガットが動かないとボールが食いつかず、柔らかいとガットの戻りが悪いのでスッポ抜けのアウトが出やすくなります…

テンションで
硬さは決まらない

以上のことから、とても単純な結論に到達するのですが、それは「ガット張りは硬くても柔らかくてもダメ、ちょうど良いのが一番」というものです。

とは言っても、「そのちょうど良い硬さは、何ポンドで張れば良いのかわからないから困っているんだ」と思った方、確かにそのとおりで、「何ポンドで張れば良いのか」はストリンガーと使うマシンによって大きく変わるのが現実なので、単純な数値指定はできないのです。

テンション指定は硬さの指定にならない
ガット張りの指定をする際に多く使われる「何ポンド」というテンションは「重さ」の数値なので「硬さ」の指定にはなりません。どんな硬さになったのかという「ガット面の硬さ(=面圧)」を知るには、張上後に測定すること必要で、それには専用の機会が必要です…

でも、ここまで書いてきたように、プレイヤー自身がベストな硬さのイメージをハッキリ持つことができれば、ガット張りがダメなために努力が報われなくなっている状況からの脱出は可能です。

ガット張りの理想は
「打球感を無くすこと」

そして、テニスワンが提案する「ベストな硬さのイメージ」は「打球感を極限まで無くすこと」です。
別の言い方をすると「ボールが一番軽く感じる硬さを見つける」ということで、それが手に入れば、ムダな力みが消えてインパクトでヘッドが走るスイングになり、伸びて沈む打球を獲得することができます。

GUT LIVEなんて必要ない![広告]
ガットの動きが悪いせいで起こるネットやアウトを、全部自分のせいだと思いたい人には、GUT LIVEは必要ありません。
◇ボールが面からこぼれてネット
ガットが動かないと「食い付き感」が生まれないので、インパクトでボールをつかまえられずにポロッとこぼれてネットすることが多くなります。そう、あの惜しいネットは食いつかないガットのせいで、自分のせいではなかったかもしれないのです。
◇スピンで押さえ込めずに浮いてアウト
さらに、インパクトで動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。逆に、確実に回転がかかればショートクロスやスピンロブなどが打ちやすくなります。
◇打球の深さがバラバラ
ガットの動きが安定せずに、ボールインパクトで動いたり動かなかったり、戻ったり戻らなかったりすれば、フェースから打ち出される打球の角度が毎回変わるので、その影響で打ショットの深さが不安定になります。

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