推奨テンションは推奨できない

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推奨テンションが
適切ではない具体例

ガット張りの際に公認レシピといえるものは、ラケットメーカーが表示している「推奨テンション」で、これ以外に、ガット張りの際の目安になるような数値は公表されていません。
ラケットメーカー自身がラケットに表示している数値範囲なので、一般のプレイヤーは「その範囲内のテンションで張っていれば安心」と考えるのが普通です。
でも実際には、一部のケースを除いて、推奨テンションの数値表記が現実離れしていることが多いのです。

適切ではない事例

「ラケットメーカーが自社製品について適切ではない数値を表示することなど絶対にあり得ない」と考えるのが一般的な常識なので、私共がこんなことを言ってもすぐには納得されないと思いますが、現実問題として以下のような事例があります。
◇事例1
メーカー自身が、自社ブランドのラケットの試打会で使用するラケットにストリングを張る際に、適正範囲の下限値を大きく下回る張力で張っているケースが見られます。
◇事例2
テニス専門誌等で、ニューモデルの試打レポートのために準備されるテストラケットにストリングを張る際には、当然、技術的にしっかりしたストリンガーが選ばれるわけですが、そのときに使用される張力は、40ポンド台前半が多いという話をテスターや編集の方々から聞いています。
◇事例3
2010年発売の「スリクソン/X4.0」の「推奨ストリングテンション」は「50~60ポンド」という表記になっていますが、その2年後に発売された「スリクソン/REVO X4.0」の「推奨ストリングテンション」は「40~55ポンド」という表記に変わっています。
前作と全く同じスペックの後継モデルなのに、「推奨ストリングテンション」の下限値が2年の間に10ポンドも下がっているわけです。(私どもでは、これを改善の一つと受け取っています)
◇事例4
「スリクソン」と「バボラ」は別ブランドですが、日本国内では株式会社ダンロップスポーツマーケティングという一つの会社が販売しています。
先述したように、「スリクソン/REVO X4.0」の推奨ストリングテンションは「40~55ポンド」なのに対して、「バボラ/ピュアドライブ2012」の推奨テンションは「55~62ポンド」となっています。
(※ピュアドライブ2015以降は50~59ポンドに変更されています。)
フェースサイズは同じ100平方インチなのにもかかわらず、下限値が10~15ポンドも違うわけです。
海外ブランドの輸入品については日本側の意向が反映されにくいという事情があるようですが、同じ会社が販売している似たスペック(フェースサイズ100平方インチ)のモデルの推奨張力範囲が、10ポンド以上も違うというのは不思議な話です。
◇事例5
2018年末の ATPファイナルズに出場した錦織選手が7本の張替をオーダーしたときのテンションは「縦40×横38を5本、縦39×横37を1本、縦38×横36を1本で依頼」という内容だったそうです。(tennis365.net)
(ちなみに、彼が使っている「ULTRA TOUR 95CV」の「適正テンション」は「50-60p(LB)」と記載されています。)
この数値を見て「そんなにゆるいんだ」と思った方は的ハズレかもしれません。
少なくとも、私どもがこのモデルをこのテンションで張った場合は「ゆるい」という状態にはなりません。

下限値でも硬すぎる!?

次の2モデルの推奨テンション範囲は以下のとおりです。
ウイルソン/CLASH 100 適正テンション:50-60p
バボラ/PURE DRIVE 2018 適正テンション:50-59ポンド
TENNIS-ONEが、実際にこれらのモデルを下限値の50という張力で張った場合、通常の使用には適さないくらいガチガチの硬い張り上がり(面圧)となります。
※実際には、ショップが変われば技術内容やマシンが変わるため、張力の数値が同じでも同じ硬さ(面圧)には張り上がらず、その差は一般に予想されるよりかなり大きいと言えます。
ですから、50ポンドという張力を使っても、ショップによっては硬くなっていないケースもあって、単純に断定はできませんが、現実の問題として硬すぎるケースが多くなっているようです。
◇事例6
あるラケットメーカーが、新発売のガットを説明する際のコメントで、「SNSで行ったアンケートによると、ストリングのテンションを48ポンド以下にしている人が6割以上いたという。」と書いているのですが、そのメーカーの展開モデルのほとんどは「推奨テンション:50~60ポンド」と表示されています。

硬くなった原因

そして、その原因として最も有力な犯人候補は「ストリングマシンの性能向上」です。
現在のプロ用のマシンは30〜40年前くらいのマシンからは想像できないほど進化しており、その結果、同じ張力で張っても、30〜40年前のマシンより格段に硬い張り上がりになります。
その一方で、フレーム等に記載されている「推奨テンション」の範囲は、十年一日のごとく変化しておりません。(特に海外ブランド)
「テニスエルボー」という障害がこれほどポピュラーになった背景には、ラケットの剛性アップ等の影響も考えられますが、「ストリングマシンの性能向上」がその片棒を担いでいることは間違いないでしょう。

推奨テンションの範囲は危険

以上のことから、カタログやフレームに記載してある推奨テンションの数値を鵜呑みにして、その範囲内でガットを張るのは非常に危険だと言って良いでしょう。

ガット張りはラケットを快適に使うためにとても大事なことなので、推奨テンションの数値範囲などにとらわれずに打ちやすい状態を探してください。

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知らないと損
ガットについての情報

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実際にボールを打つのはガットで、フレームはガットのアクションを受け取るだけの存在なので、ラケットのパフォーマンスの主役はガットです。なので、ガット張りを軽視すると、気づかないうちにプレー上で損をすることになります。このコーナーでは、そうした不利益の具体例を紹介しています。

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◆ガット張りを工夫しても「適切なガット張り」は見つからない
ガット張りについての関心が高い方には残念なことですが、でもこれは、まぎれも無い事実です。
その事実とは、「ガット張りだけでは適切なガット張りを見つけられない」ということで、ガット張りについてどんなに深掘りしても、それだけでは快適なセッティングを見つけることはできません。
なぜなら、ガットだけではボールを打つことができないからです。
ガットはフレームに張らないと使えませんが、そのフレームがプレイヤーに合っていないと、どんなにガット張りを工夫しても快適に打てる状態にはなりません。
ですから、快適に打てるセッティングを見つけるには、その前に「自分に合うラケット」を手に入れることが必要なのです。
でも、この話はもっと複雑で、ガットだけではボールを打てないのですが、同じ理由で、フレームだけでもボールは打てないので、自分に合うラケットを手に入れるには、適切なガット張りがされているラケットを試打することが必要なのです。
なぜなら、ガット張りが不適切なラケットをいくら試打しても良い状態にはならないので、時間のムダになってしまうからです。
テニスワンのラケットドックには適切なガット張りが施されているラケットが用意されているので、プレーが良くなるラケットが見つかります。Click!↓

GUT LIVEなんて必要ない!

ガットの動きが悪いせいで起きるネットやアウトを、全部自分のせいだと思い込んでいる人には、GUT LIVEは必要ありません。


◇インパクトでボールが面からこぼれてネット
ガットが動かないと「食い付き感」が生まれないので、インパクトでボールをつかまえられずにスルッとネットすることが多くなります。
◇スピンで押さえ込めずに浮いてアウト
動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。
◇打球の深さがバラバラ
ガットの動きが安定せずに、ボールインパクトで動いたり動かなかったり、戻ったり戻らなかったりすれば、ガット面から打ち出されるボールの角度が毎回変わるので、その影響で打球の深さが不安定になります。
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