テニスガットの正しい知識 太さについて

ガットの知識
太さについて

ゲージの選択

「ゲージ:gauge」は「寸法、規格」などの意味ですが、ストリングのゲージという場合は、その太さのことを表します。
今から40年以上前のテニス界の標準ガットは「GOSEN/ハイシープ」ですが、このゲージは1.42mmでした。
これが当時の「普通の太さ」であったわけですが、それ以後、徐々に細いガットの販売シェアが増えてきて、現在ではナイロンの1.30mmが「普通の太さ」となっています。
今でも広く使われている「GOSEN/ミクロスーパー16」のゲージは1.30mmですが、名称の中の「ミクロ」は、発売当時は「通常より細い」という意味で付けられたのです。
でもそれが、時代の推移で現在では標準の太さになってしまったということです。
細いゲージが一般化したのは、細くてもハイシープの1.42mm並みの切断耐久性が発揮できるようになったためで、繊維自体の強化がその背景にあるわけです。
こういうところは、オーバーサイズでなくても、100平方インチ程度のモデルで以前のオーバーサイズ並みの飛びが出るようになったラケット開発の歴史と重なる部分があります。

細いゲージのメリットとデメリット

下の図で示すように、ストリングの太い細いは、それを編んだときのストリング面のデコボコの高さに影響します。
直径の太いストリングほど山が高くなるわけです。
その結果、ボールインパクトでストリングが動こうとする際に、太いほうが登りが急になって抵抗が大きくなります。
その反対に、ストリングが細いと山が低くなるので、細ければ細いほど自由に動けるわけです。

特に、面が小さい上にストリングの本数が多いフレームでは、ストリング同士の間隔が狭くなるので、そこに太いストリングを張るとかなり動きにくくなります。
※メインが18本のフレームでは、細いほうがストリングの可動性を確保しやすいということです。
また、同じ素材強度であれば、線の直径が細いほど強度が弱く、柔らかくなるので、同じ強さのボールインパクトでも、細いほうが大きく伸縮します。
※輪ゴムを引っ張るときに、1本と2本では抵抗の強さが違うのと同じ理屈です。
この「細いほど可動範囲が広がる」「細いほど伸縮性が大きい」という二つの理由によって、ボールインパクト時の引っかかり感が強くなります。
つまり、スピンコントロールが容易になるということです。
また、同じこの二つの理由によって、ストリングの切断耐久性は細いほうが格段に弱くなるということです。
ストリングがインパクトで動かなければストリング同士がこすれ合うことがないので摩耗の進みが格段に遅くなりますが、可動範囲が大きければ大きいほど、すり減りも早く進むわけです。
同じナイロン系ストリングで130と125があった場合、その切断耐久性は125÷130(≒96%)のように考えてしまいがちですが、実際には、50~70%くらいの期間で切れてしまうのは、こうしたことが原因です。

ゲージの表記方法

通常は断面の直径をミリ単位で表現して、「1.30」とか「1.25」の数値になりますが、これは、1.30mmと1.25mmということです。
この小数点を省略して「130」とか「125」と表記されているケースもあります。
(バボラなどではこの表記方法で、ブリオ130、VSチーム125等の商品名になっています。トアルソンも同様です。)
ストリングのゲージ表記方法には「1.30」や「130」の他に2つ有ります。
一つは、「15」「16」「16L」等の表記方法で、ミリ表記との関連性は以下のようになっています。
数値が大きいほうが細いというのがこの表記の落とし穴です。覚えにくいですね。
(GOSENがこの表記方法を商品名に採用しています)

「17」 ≒1.20mm
「16L」≒1.25mm
「16」 ≒1.30mm
「15L」≒1.35mm
「15」 ≒1.40mm

もう一つが、「8.0」とか「8.5」とかの表記で、ミリ表記との関連性は以下のようになっています。
(現状では、この表記はあまり見かけなくなってきています。パシフィックのナチュラルガットなどで、この表記を採用しています。)

「8.0」≒1.20mm
「8.5」≒1.25mm
「9.0」≒1.30mm


ここまで、ガットの素材特性と太さについて基本的なことをご理解いただいたと思いますが、次は、その選択に迷うことが多い「ナイロン」と「ポリ」のどちらが良いかについて解説させていただきます。

ガットの知識「ポリとナイロン」

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