ラケットが戦力を左右する

ラケットに影響された打ち方が
プレイヤーの戦力を左右する

ここまでは、「テニスプレイヤーであれば誰でも例外なく、打球をコートに入れようとしてラケットに合わせた打ち方になっている」ことを説明してきました。
ここでは、その「ラケットに影響された打ち方」が、プレイヤーにとってどの程度負担になっているかによってプレイヤーの戦力が大きく左右されることについて書かせていただきます。

飛びの計算式

ここまで何度も出てきた飛びの計算式を使って説明させていただきます。
【プレイヤーのパワー=5】+【ラケットの飛び=5】=【テニスコート=10】
という基準からプレイヤーのパワーを変更してみます。
【プレイヤーのパワー=4】の人が【飛び=5】のラケットを使った場合はトータル9になるので、4のパワーを5に上げて打つ必要があります。
それに対して、【プレイヤーのパワー=3】の人が【飛び=5】のラケットを使った場合はトータル8になって、3のパワーを5に上げて打つ必要があります。
こうした場合、【プレイヤーのパワー=3】の人のほうが明らかに不利であり、余計に力むことで運動の精度が失われてショットの成功確率が下がります。
さらに、【プレイヤーのパワー=3】の人が【飛び=3】のラケットを使った場合はトータル6になって、さらにひどい状態になるわけです。
これとは別に、【プレイヤーのパワー=7】の人が【飛び=7】のラケットを使った場合はトータル14になって、7のパワーを3まで下げて打つことになります。
そして、これが楽かというと全然そういうことはありません。
運動を不自然に抑えたり萎縮させたりするのは、無理に力むのと同じくらい疲れる上に精度も下がるのです。
このように、「打球を適切な深さに打ち出しやすい状態」から逸脱すればするほどプレイヤーの負担が増えてテニスが難しくなります

運動を調節する必要がある
ラケット

「適切な深さに打球を打ち込もうとしたときに変な調節をしなくて済むラケット」と、「打球をコントロールするためにインパクトで何かをしている感じがあるラケット」とでは、緊張する試合などでプレイヤーにかかるストレスが大きく変わるでしょう。
そして、
「ていねいに打っている」
「打つときに肩や腕に力が入っている」
「スイングがギクシャクしている」
「インパクト後にスルッと振り抜けない」
「インパクトの力加減が難しい」

というのが、「打球をコントロールするためにインパクトで何かをしている感じがあるラケット」で打っているときの自覚症状です。
プレイヤーに合ったラケットを選べば、変な調節をせずに気ままに開放的に振り抜くことができるのに対して、「打球を適切な深さに打とうとしたときに運動を調節する必要があるラケット」を選んだ場合は、動きが複雑になるのでプレイヤーの負担が増してミスが増えるわけです。

忙しくて難しい上に
長時間に及ぶスポーツ

テニスは飛んで来るボールを打ち返すスポーツなので、プレイヤーは、飛んで来るボールの状態に合わせて毎回違う運動で打ち返すことが要求されます。
さらにそれを、コート上を走り回りながら3秒前後の間隔で連続的にやらなければなりません。
このように、とても忙しくて難しいのに加えて、勝ち抜くにはかなり長時間に及ぶスポーツなので、ボールを打つときの動きはできるだけシンプルなほうが、運動の誤差が減ってプレイヤーの負担が小さくなり、ミスも減るわけです。
1日にシングルスを5セットやる場合、1,000回くらいは平気で打たねばならないので、ボールを打つときに多少の運動調節が必要な場合と、そうでない場合とでは、たとえその違いがわずかでも、最終的には負担の蓄積の進行に大きな違いが生まれます。

負担を自覚していない

ですから、簡単に言えば、合わないラケットはボールを打つときの動きを複雑にしてミスを誘い、運動効率を下げて疲労を早めるわけです。
ところが、そんな不利益をこうむっていても、プレイヤー自身がそれに気づいているケースはあまり多くありません。
なぜなら、「ラケットに合わせた打ち方をしている」ことを自覚していないプレイヤーは、その負担についても自覚していないからです。

負担に慣れ親しんでいる

「自分はラケットの影響なんて受けていない、自分は自分が思うようにスイングしている」と考えているプレイヤーは、自分の変なスイングやミスの多さは全て自分の責任であり、それを、自分以外のものに責任転嫁しようなどとは、これっぽっちも思っていません。
それもそのはずで、ラケットによって背負わされている負担は、そのラケットで打ち始めてからずっと変わらずにそうなので、本人は特に負担だと思っていないわけで、ただ、唯一気付くとすれば、その負担が取り去られたときだけです。
ずっと背負い続いてきた負担は、それが無くなったときに初めて気付くわけです。
これは、太っていたときは自分の身体が重いとは感じなかったのに、減量してみたら動きが軽快になったことに初めて気づく、というのに近いかもしれません。
ですから、「もしかすると、ラケットを替えれば今よりもっと簡単に打てるようになるかもしれない」という根拠のない期待を持つことが今のプレーから脱皮するキッカケになるかもしれません。

ラケットがスイングに
与える影響

ラケットが合っているときのスイング傾向は以下のとおりです。
「無造作」
「適当」
「開放的」
「大胆」

これに対して、ラケットが合ってないときのスイング傾向は以下のとおりです。
「きちんと」
「ていねいに」
「慎重に」
「大事に」

これを見ただけで戦力的な違いは明らかでしょう。
後者のスイングからは伸びと勢いのある打球が生まれないことは容易に想像できます。

負担が減ると打球の勢いが増す
という反比例の関係

スイングを調節しながら打っていると、当然ですがキレの良い運動にはならずスピード感が生まれません。
それに対して、プレイヤーのスイングから調節感が消えたときに、動きが大胆になり打球に勢いと伸びが生まれます
ラケットドックの現場で見る限り、プレイヤーが一生懸命打っているときほど打球は失速し、プレイヤーの運動がリラックスしているときほど打球の勢いと伸びが増します
ですから、運動が楽にならないと戦力はアップしないという反比例の関係のようです。
打球の勢いを出そうとすると一生懸命打つようになりがちですが、そういう状態から抜け出すカギを握るのがラケットなのです。
自分の打球のレベルはこんな感じだというのは、今使っているラケットが前提になっていることなので、「ラケットを替えれば、もっとスピードのある打球が無理なく打てるかもしれない」という根拠のない期待を持つことが、ステップアップの入口かもしれません。

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