テニスラケットの打球感は伝達ロス!

テニスラケットの打球感は
単なる伝達ロス!?

「好きな打球感」のラケットは負けやすい!?

打球感の好き嫌いでラケットを選ぶテニスプレイヤーは結構多いと思います。
どうせ買うのなら、打ったときに「いい感じ」がするラケットが良いと思うのは自然だからです。
でも、気をつけてください。その「好きな打球感」はプレーにマイナスかもしれません。
実際問題として、「好きな打球感」のラケットを使うことで「負けやすい状態」になっていることが意外に多いのです。
その「負けやすい状態」とは、具体的には以下の様な状態です。

力んで打つために体軸がブレてショットが不安定になりミスが多い
しっかり打っている割に打球に伸びがなく失速する
走らされるとしっかり打てずにただ返すだけになる
うまくスピンがかからずにスッポ抜ける
柔らかいショットが苦手
バテるのが早い
etc。

テニスワンは「ラケットドック」というラケットフィッティングのサービスで、これまで10,000名以上のテニスプレイヤーのプレーを診断してきましたが、そこには、「自分の好みで選んだラケット」で上記のような症状が出ている方がたくさん居ました。

打球感が無いのが最高!

では、「好きな打球感のラケット」の何がいけないのでしょうか。
それは、好みの対象になる「はっきりした打球感が有ることです。
はっきりした打球感が無ければ、好きも嫌いの対象にはなりません。
そして、その「はっきりした打球感が無い状態」がプレー上は最高なのです。
これについては、別段珍しいことでも新説でもありません。
「打った感じがしなかった」ときにボールが一番飛ぶのは、ゴルフも野球もサッカーなどでも同じです。
単純に、ラケット側のエネルギーが100%ボールに伝わったときには「打球感=手応え」は生まれず、ボールは最も効率良く飛んでいきます。
現実的には100%というのはないので、打球感が全く生まれないことはありませんが、打球感の発生が小さければ小さいほど、プレイヤーの運動の伝わりが良くなるのでボールの勢いは増します
【「プレイヤーの運動」=「打球の勢い」+「打球衝撃の発生」】という関係なので、「プレイヤーの運動」が一定なら「打球の勢い」と「打球衝撃の発生」は、片方が大きくなるともう片方は小さくなるという仕組みなので、「打球衝撃の発生」が極限まで小さくなれば「プレイヤーの運動」に対して「打球の勢い」が最大限になるわけです。

打球感=出戻りエネルギー=伝達ロス

ですから、「打球感=ボールの手応え」は打球に伝え切れなかった「出戻りエネルギー」なのです。
なので、「打球感=ボールの手応え」が大きければ大きいほどプレイヤーのやったことがムダになり、打球は勢いを無くして失速します。
「好きな打球感=好きな伝達ロス」ということです。
でも、こうした伝達ロスが生まれると、打球の勢いが失われるだけでなく打ち方にも悪影響が及びます。

打球感が有ると力を入れるようになる

伝達ロスの大きい「伝わりの悪いラケット」で打っていると「打ったときの手応え=打球感」が発生します。
さらに、打球感をしっかり感じているときは伝達効率が悪いので、「打っている割に打球に勢いが無い」という状態になります。
そうすると、プレイヤーはもっと打球の勢いを出そうとして「力を入れて打つ」という状態に移ります。
実際に、「力を入れなければ強い打球は打てない」と思っている方は、テニスプレイヤーの中でかなり多いようです。

力を入れるとヘッドスピードは上がらない

でも、力を入れても打球は強くなりません。
インパクトに向けて力を入れると、ボールの手応えに耐えるためのブロック系の動きになるのでヘッドスピードは減速します。
ラケット側の運動エネルギーは【「ラケットヘッドの質量」×「ヘッドスピードの二乗」】なので、とにかくヘッドスピードが命です。
そして、ラケットを高速で振り抜くためには、身体の各関節をムチのように柔らかく連鎖的に動かすことが必要なので、力を入れて硬くなった腕ではラケットヘッドをスピーディーに動かすことはできないわけです。

力を入れることの弊害

なおかつ、「力を入れられる」こと自体が大きな問題なのです。
壁などの堅いものは力を入れて押すことができますが、窓のカーテンのような手応えのないものは力を入れて押すことができません。
力を入れるためには、その力に見合う「手応え=抵抗」が必要なのです。
そして、「力を入れて打つ」ときの相手は「ボール」あるいは「ボールから受ける抵抗」です。
「ボールの重さ」と言い換えてもいいかもしれません。
つまり、力を入れて打つには、飛んで来るボールの手応えが必要なのです。
「ボールの重さを感じるから、そこに力を入れることができるの」ですが、「ボールの重さを感じる」というのは「ボールに押されている」、つまり「打ち負けている」ということです。

わざと外して打つようになる

そして、もっと悪いことは、力を入れてしっかり打とうとしている方は、「力を入れられるポイントで打つようになる」ことです。
力を入れるにはどうしても相手が必要なので、いつも「ボールの重さを感じるところを探して打とうとする」わけです。
そうすると、理想的なインパクトポイントでは打球感が軽くなってしまい、そこで打つと肩スカシにような状態になるので、そこよりわずかに遅れたところ、ボールの重さを感じるところで打つことになります。
そのため、力を入れて打とうとするプレイヤーは、いつも正確に「微妙に遅れた打点」で打つようになることがあります。
オフセンターヒット(スイートエリアを外したインパクト)が発生すると、手応えが強くなってボールが重く感じますが、それと同じです。
実際問題として、力を入れて打つ人は、いつも正確にスイートエリアをわずかに外して打つ傾向もあります。
ですから、「力を入れて打つ」というのは、ボールに押されるポイントをわざわざ探し出して打つことなのです。
こうしたことを、自分の意思でやっている人は少ないと思いますが、「力を入れて打てば強い打球になる」と思っている人は、力を入れるためには、それに抵抗してくれる相手がどうしても必要なので、自分の思いとは関係なくこんな非効率な状態に陥ってしまうわけです。

勝ちにくい状態を目指す努力

最初は、ボールを打ったときに手応えがあるから、それに対して反射的に力が入ったわけですが、それが習慣化すると今度は逆に、力を入れるための手応えが必要になるわけです。
特に、ハードヒッターを自認する方は、強い力を入れるために強い抵抗が必要なので、ストリング・セッティングなどをハードにして強い手応えが感じられる状態を作る傾向がありますが、それは伝達効率のさらなる悪化を招くため、「勝ちにくい状態を目指す努力」になってしまいます。

力を入れると不利

打球感でラケットを選ぶと以下のような仕組みで力を入れて打つようになります。
「打球感(手応え)がある⇒打球に威力がない⇒力を入れて打つ⇒力を入れられるポイントを探す⇒ボールの重さを感じながらそれに負けないように力を入れる」
飛んで来るボールを打ち返すときに身体に力が入ると、ボールの急な変化に合わせた柔軟な対応がしにくくなり、泳いだりフラついたりしやすくなります。
そういう形で体軸がブレると、それが原因でショットが不安定になりミスが増えます。
また、力を入れるには足の踏ん張りが必要なので、止まって動いてを繰り返すドタバタしたフットワークになって疲れやすくなります。

力を入れて打つと打球がスッポ抜ける

力を入れて打つ際に出やすいミスの代表格は「打球のスッポ抜け」です。
インパクトに力を入れようとすると、ボールの重さを一旦受け取ってから、力を入れてそれを押し返すような動きになるため、ボールが押し出されてそのままアウトするわけです。
そういうアウトが出ると、プレイヤー自身が「自分はパワーが有り過ぎだ」と勘違いすることがあるのですが、ボールの重さを感じて力を入れている時点で打ち負けているので、「プレイヤー側のパワー不足」というのが正しい判断です。
力を入れて打っているときは、インパクトの瞬間にボールの抵抗を受けてヘッドスピードは減速します。
打ったという手応えがあるときは、それによるヘッドスピードの減速が避けられないわけです。
また、ボールに押されないように力を入れる場合、ブロックするような力の入れ方になるので腕の筋肉が固まってヘッドスピードは減速します。
それに対して、打球感が軽い場合はインパクトでのヘッドスピードの減速も小さくなるので、ヘッドがスルッと振り抜けている状態になり、それによって効率良く順回転がかかって球筋が押さえられます
テニスボールはもともと良く飛ぶようにできているので、力を入れて打っても打球がアウトしないラケットはこの世に存在しません。
堅い金属バットで打ってもボールは簡単にアウトするので、スピードの有る打球は順回転で押さえこまない限りコートに入りません
ですから、打球がアウトしたのは「飛び過ぎ」ではなく「球筋を押さえ込めないために浮いてしまった」ということなので、「押さえこむだけのスイングスピードが無かった」ということです。
アウトのほとんどは、オーバーパワーではなく、ラケットのパワー不足とスイングスピードの不足によって起こるのです。

手応えを求めるかどうかが分かれ道

①力を入れてもショットの勢いは出ず、②身体がグラついてミスが増えて、③バタバタした動きで早く疲れてしまう、という三重苦のような状態から抜け出すにはどうしたら良いのでしょうか。
その対策は簡単です。
「打球感=手応え」があるから力が入るので、手応えを無くせば力みも無くなります
空気を押そうとして腕に力が入る人は居ないはずなので、押す相手がいなくなればムダな力みは自然に消えます。
ですから、インパクトポイントをラケットヘッドが手応え無く通過するイメージで振り抜けば、力みの無いスイングになります。

ラケットに問題が

でも、そこに大きな問題があって、先述したように「伝達ロスの大きい伝わりの悪いラケット」で打っているとボールの重さを感じやすいので、常に手応えが発生してしまうのです。
①フレームの特性がプレイヤーに合っていなかったり、②ラケットのスイングウェイトが軽すぎたり、③ストリング・セッティングがハードすぎたりすると、プレイヤーの運動が打球に伝わりにくくなるので、ボールに押されて手応えが発生してしまいます
ですから、そこでいくら本人が手応えの無いインパクトをイメージしても、実際のインパクトで手応えが発生するので、打ち負けまいとして反射的に力が入ってしまいます。
ですから、ムダな力みの原因のほとんどは「不適切なラケット」にあるわけです。

楽になったほうが攻撃力は増す

①フレームの特性がプレイヤーに合っていて、②ラケットのスイングウェイト選択が適切で、③ストリング・セッティングが適切なときには、打球感は希薄になります
プレイヤーの運動が打球に伝わる効率が良くなれば、打球感という出戻りエネルギーの発生が少なくなるからです。
そして、プレイヤーの運動の伝達効率が良くなると、強い運動をしなくてもショットの勢いが出るので、ムダな力が抜けてしなやかな動きになり、それによってさらにヘッドスピードが上がりやすくなります。
力を入れるとヘッドスピードは上がりにくくなり、力の抜けたしなやかなスイングではヘッドスピードが上がるわけです。
ということは、プレイヤーが楽になったほうが攻撃力は増すということです。

三つの条件を同時にクリアすることが必要

でも、プレイヤーが楽になるためには、前項の①②③の三つの条件を同時にクリアすることが必要です。
この、「三つの条件を同時にクリアする」というのが現実的にはとても難しいので、「打球感が希薄になってボールが軽く感じる状態」を手に入れるのは容易ではありません
そして、それが「力を入れて強く打とうとする方が多い理由」のようです。
「力を入れなければ強いショットは打てない」と考えるのは、使っているラケットが合っていない証拠です。

ほとんどのプレイヤーは
ラケットで損をしている!
・・・というのが10,000名以上ラケットフィッティングで得られた結論で、その原因は、自分に合うラケットを手に入れるには「モデルの特性がプレイヤーに合っている」+「フレームのスイングウェイトが適切」+「ガットの種類と硬さが適切」という三つの条件を同時にクリアしなければならないので、そういうラケットに偶然出会える可能がとても低いことにあるようです。合わないラケットはミスを増加させてショットの勢いを無くすだけでなく、プレイヤーの動きを悪くして故障の原因にもなります。

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