不適切な張上がもたらす弊害

テニスガットの不適切な張上がもたらす弊害

ガットが硬すぎる場合の弊害例

打球が行かない

ストリングの張上が硬すぎることの一番の問題点は、打球の威力が低下することです。
張上が硬すぎたり、ストリングの反発性が低くて飛ばなかったりすると、インパクトの衝撃が強くなるため、プレイヤーはそれに対抗するために力を入れて強く打つようになります。
こうした状態では、強い手応えが強い打球を生むような気がしてガツンという手応えを求めて打つようになるのですが、結果的に、入れた力が打球に伝わらず、無駄な力みとなってバランスを崩す原因になることが少なくありません。
打っているほうはガンガンハードヒットしているつもりなのですが、コートに弾んだ時には推進力が無くなって軽い打球になってしまうため、簡単に打ち返されてしまうという状態です。
いわゆる「ハードアクションでイージーボール」ということで、相手プレイヤーにとっては、強い打球が来ると思って待ちかまえていても意外にボールが来ないので、返球をコントロールしやすくなり、厳しいところに打ち込みやすくなります。
テニスでは、どんなにハードなアクションをしてもそれでポイントが取れることはありません。
キーになるのはボールの勢いです。それに加えて長丁場のスポーツなので、体力を使わずに勢いのあるボールを打ち続けることが必要ですが、硬すぎるストリングは体力を浪費して勢いのない打球を生む原因になるのです。

アウトが増える

ストリングを硬くするとボールが飛ばなくなるというのがテニス界の常識ですが、実際問題として、硬すぎる場合は逆にアウトが増えます。
確かに、ストリングが硬いとボールは飛ばなくなるのですが、ボールが飛ばないとプレイヤーは飛ばすようなスイングに変わっていきます。
その結果、回転量の少ない棒玉が出やすくなり、打ったとたんにアウトと分かるような打球が出やすくなります。
いわゆる「プッシュアウト」という状態ですが、そうなる原因はプレイヤーのスイングパワーが不足していることにあります。
飛ばないラケットで打球を押さえ込むにはかなりのスイングパワーが必要ですが、そこまでのスイングパワーがない場合は打球を押さえ込めずに、ただ飛ばすだけのスイングになり、その結果飛ばしすぎてアウトが出てしまうという状態で、ラケットが飛ばないことがアウトの原因になるのです。
強打した時のアウトが多い場合は、プレイヤーのパワーがあり過ぎなのではなく、打球軌道を押さえ込むだけのスイングパワーが不足しているケースだと考えたほうが改善につながるでしょう。
アウトが多いと、通常の判断では「もっとストリングを硬くしよう」ということになるのですが、それではさらにアウトが増えることになります。

バランスが崩れる

ストリングが硬いと余計な力みが出るようになり、それによってスイング後にバランスが崩れることが多くなります。
前に突っ込んだり、左に流れたり、後ろにそったりと、その症状はさまざまですが、共通するのは、バランスが崩れた後は立て直す時間が必要になるということです。
軸が傾いたままでは動けないので、崩れたバランスを一旦立て直してから次のショットに向かうわけですが、その一瞬の遅れが次のショットを不十分な体勢で打たなければならない原因になるのです。
いつもバタバタしていて、ラリー中に先手を取れないのはストリングの硬さに原因があったということもあるのです。

ガットが柔らかすぎる弊害例

おとなしくていねいなスイング

ストリングが柔らかすぎる場合は、飛びすぎを抑えるためにプレイヤーの動きが妙におとなしくなってしまうというケースがあります。硬すぎて力むのとちょうど正反対の症状です。
インパクトに向けてヘッドスピードが加速すると飛びすぎてしまうことが予想されるので、車の低速走行のような状態になり、ヘッドスピードが出ないように終始ていねいに振るようになります。
スイングのスピードが出ないように抑えて振るというのも結構難しい作業ですので、ストレスの元になりミスも出やすくなります。

回転過剰

飛びすぎを感じるとプレイヤーは球筋を抑えてコートに入れようとするため、回転を多くかけるようになります。
その結果、スイングの力が回転に食われて、前に飛んでいく勢いがなくなります。また、当たりが薄くなるためショットの深さも安定しなくなります。
打球軌道も高めになって弾みも高くはなりますが、前に行く勢いがないので、そういうボールに慣れた相手からは上からたたかれやすくなります。

運動の抑制

ボールを効率よく飛ばすためには、腕の振りだけでなく全身を大きく使うことが必要で、通常はインパクトに向けて下半身の力がスムーズに上半身に伝えられるのですが、飛びすぎが予想される場合は下半身と上半身が連動しなくなります。
足が止まっていて手だけで打つような、いわゆる「手打ち」の状態です。
こうした状態では動きながらのショットは難しいためにインパクトの前に足を止めることが多くなるのですが、それによって静止と急発進を繰り返すようなギクシャクした動きになってしまいます。
いつも慎重にプレーしている感じで爽快感がないのは、ストリングが柔らかすぎるせいかもしれません。


このように、ストリングの硬さは硬すぎても柔らかすぎてもプレーにマイナスの影響を与えるのです。

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