スイングウェイト調整の仕方

テニスラケットの
スイングウェイト調整の仕方

スイングウェイトはテニスラケットの基本性能を大きく左右する数値で、その数値次第では、どんなに優れたモデルであっても「使わないほうがマシ」という状態になることがあります。
特に、軽すぎる場合は弊害が大きいと言えますので、ここでは、それを重くする方向での数値調整について説明させていただきます。

適切なスイングウェイトの
ラケットばかりではない

硬式テニスラケットという名前が付けば、どんなラケットも硬式テニスのプレーに適した仕上がりになっているように思うのが普通ですが、残念なことに、現実はそうではありません。
約60gの重さがある硬式テニスのボールを、一般レベルの打球スピードで打ち合うのに適したスイングウェイトの範囲というのものがあって、「最低限、これくらいはないと誰でも打ち負ける」という下限値があるのですが、現在市販されているラケットの全てがそれをクリアしているわけではないのです。

適正範囲を外れるものの中では、スイングウェイトが軽すぎる方向に外れているものの割合が圧倒的に多く、それに比べれば重すぎるケースは少ないのですが、それでもいくつかは存在します。

スイングウェイトの影響

テニスワンではラケットドックというラケットフィッティングサービスを継続的に実施しており、その現場では、いろいろなプレイヤーにいろいろなラケットを打ってもらうのですが、スイングウェイトの数値の影響については、以下のような症状が共通して見られます。

テニスラケットのフィッティングとは
ラケットを持ち替えるとプレイヤーの運動が変化します。「ラケットフィッティング」は、コート上でボールを打っているときの身体の動きと打球の状態が変化する様子を観察して、一人一人のプレイヤーに合うラケットを見つけ出すサービスです。…

★スイングウェイトが軽すぎるときの症状
ボールを打つときにどうしても腕に力が入って力んでしまう
相手の打球が強いと打ち負けやすい
インパクト時の衝撃が大きい
強打しても簡単に打ち返されてしまう
コンパクトに振ろうとしているのに、どうしても大振りになってしまう
ちょっとしたオフセンターヒットでも面がブレやすくなってしまう

★スイングウェイトが重すぎる場合の症状
ショートラリーが難しく感じて、柔い打球のコントロールがしにくい
スイングスピードが上がりにくくてゆったりしたスイングになってしまう
ボレーが苦手で、ストロークでもベースライン後方に下がり気味に位置する

スイングウェイトの数値は重量の数値とは全く関連性がないため、スイングウェイトが軽すぎたり重すぎたりする場合も、カタログなどを見てそれを判断することはできません。
(プリンスブランドだけは、メインモデルについてスイングウェイトの設定値が表示されていますが、それでもバラツキが有るため、製品全てがその数値で統一されているということではありません)
ただ、現在の市場では、重量の数値が軽い場合に、同時にスイングウェイトも軽いというケースが多いようです。でも、そうでないケースもあるため一概には言えません。

テニスラケットのスイングウェイトについて
ラケットの重量やバランスポイントは静止状態の計測値なので「振った感じ」を判断するのには不向きです。テニスラケットは振って使うものなので「振ったときの動的な重量感」を知るには実際に振って計測するのが一番です。そして、この数値は1本1本の個体差が大きいのでボールの飛びなどのラケットの基本特性に影響します。 …

スイングウェイトが重すぎる場合は、軽くしようとするとフレームのどこかを削り取らなければならないので、現実的には対応が難しいのですが、スイングウェイトが軽すぎる場合は、鉛テープなどであとから重くすることができるので、対応が簡単です。
ですから、スイングウェイトの軽すぎるラケットを購入して使いにくいと感じているときでも、改善する方法はあるので諦めるのは早いということです。

ラケットの重量とバランスポイントとスイングウェイトの関係
重量とバランスポイントではスイングウェイトは確定しないことを説明するページです。…

スイングウェイト調整に
使うもの

スイングウェイト調整に使う鉛テープには、「キモニー」の鉛テープの「スリムタイプ(6mm幅)」が良いと思います。
兄弟アイテムとしてテープ幅が1.2cm幅のノーマルタイプがありますが、こちらよりスリムタイプをオススメします。

というのも、テープ幅が倍だと、スリムタイプと同じ重量を切り取ったときの長さが半分になるため、重量が狭い場所に集まることになります。
不自然なスイング感覚になるのを避けるには、異物感を感じさせないように重量配分をできるだけ分散させたいので、長く貼れるスリムタイプのほうが良いわけです。
1個で3g以上の重さのあるH型のタイプも市販されていますが、これは、1個が重すぎて微妙な調整が難しいので使わないほうが無難です。

【キモニー/鉛テープ・スリムタイプ】
右側の大きな物体は、私どもが使っている業務用の鉛テープです。
一般の方は、一生かかっても使い切れない量だと思いますので無用のものですね。
※鉛は英語で「Lead」と書き、これは「導く(リードする)」という意味の「リード:Lead」と同じスペルですが、鉛の場合は読み方が違って、「リード」ではなく「レッド」になります。
ですから、鉛テープをカタカナ表記する場合には「レッドテープ」になるはずなのに、キモニーの製品には「リードテープ」と書いてあります。でも、正解を知ってさえいれば良いので、あまり細かいことは気にしないでください。
バボラのカタログには、さすがにちゃんと「レッドテープ」と書いてありますが、赤いテープのことではありません。

事前の準備

鉛テープを貼る場所にホコリや油分が附着している場合は、鉛テープの粘着性が弱まり、使用中に脱落することがあります。
新品であっても、塗装面に何らかの溶剤などが着いていて、接着が悪くて脱落するケースもあるようです。
そういう場合は、シンナー、スキーのワックスリムーバー、マニキュアの除光液等、汚れや油分を除去する効果のあるもので拭き取ると良いでしょう。

鉛テープを貼る場所

同じ量の鉛テープを使う場合でも、貼る場所によってスイングウェイトの増加量は大きく変わります。
グリップ部分に近いところに貼ってもスイングウェイトはあまり増加せず、グリップから遠ければ遠いほど、同じ重量付加でもスイングウェイトは大きく増加します。
ですから、鉛テープを貼る場合は、フレームトップ部分に近いところほど少ない重量で大きくスイングウェイトをアップさせることができます。

ただ、フレームの最先端部分に貼るのは、インパクト後のフレームの振動が増加したり、操作感としてもマイナスの影響があったりしますのでお勧めできません。
ということで、少ない使用量で効率的にスイングウェイトを増加させるのに適した場所は、フレームトップに近くてトップではないところ、つまり、フェースの10時と2時の場所ということになります。

ストリング面をはさんで裏表×左右の4ヶ所に貼るため、鉛テープは4枚にカットして下さい。普通のハサミで簡単に切れます。

スイングウェイト調整の上限

フレームに貼る鉛の量を増やせば増やすほどスイングウェイトは増加しますが、何ごとにも限度というものがあって、あまり増やしすぎると、ラケットを振ったときにその付加重量の存在を異物として感じてしまい、スイング感覚が不自然になります。

不自然な感じが出ない範囲としては、スイングウェイトの増加調整は10ポイントが上限とお考えいただいたほうが無難でしょう。(※重さで10gではありません)
(もちろん、それ以上付けてはいけないという決まりは特にありませんので、あとはご自由にということです。)

ということで、どんなにスイングウェイトの軽いラケットでも、鉛で調節すれば全てOKというわけにはいきません。
スイングウェイトが260台のラケットに鉛を貼って280台に仕上げたとしても、オリジナルのおかしな状態から別のおかしな状態に変わるだけなので、あまり使いやすくはならないと予想されます。
かといって、使用する鉛の量を減らして270台に仕上げても、スイングウェイトが軽すぎる弊害は解消しきれないため、効果を実感しにくいでしょう。
スイングウェイト調整をする際にも、ベースのフレームのスイングウェイトが適正範囲から外れすぎている場合は、有効な調整にはならない可能性が高いということです。

意外に多い「やりすぎ」

鉛を貼ってスイングウェイト調整をしている方が、意外に陥りやすいのが「やりすぎ」という状態です。
鉛だけで10gを超えているようなケースも珍しくありません。
そういうケースでも、最初からゴッソリと付けたわけではなく、付けているうちに、だんだんとエスカレートしていった結果そうなったということのようです。

ありがちなのは、ちょっと付けてみて良い感じが実感できたときに、「もっと付ければもっと良くなるのでは!」と考えてしまうことです。
そして、付ける量を増やすと効果もハッキリと実感できるのですが、そういうときのプレイヤーの意識は、増やしたことの効果だけに注目しているため、全く別なところで、スイングウェイトを増やし過ぎた弊害に気が付かないことが多いのです。

スイングウェイトが重すぎると、柔らかいインパクトのショットが苦手になったりするのですが、相手の強い打球に対して面がぶれずに打ち返せることに感激していると、そういう弊害に気が付きにくいわけです。

スイングウェイト調整の
目指すべきゴール

スイングウェイト調整が必要なケースというのは、スイングウェイトが軽すぎて弊害が出ているときです。
当たり前のことを書くのには理由があって、スイングウェイトが軽くないのにスイングウェイトを調整して重くしているケースも見かけられるからです。

打球衝撃が強かったり、打球に伸びがなかったり、力んで打っていたり等のスイングウェイトが軽すぎることで起きる弊害が解消されるレベルまでが適正な調整範囲だといえます。
スイングウェイトが軽すぎる場合の症状は先に書きましたが、それらの症状が出なくなるところまでが、適切なレベルの調整ということです。

ですから、スイングウェイトの重さを武器にしようなどと考えると、気付かないうちにスイングウェイトの重さに足を引っ張られることになります。

スイングウェイトの適正値は
「用途」で決まる

使用するラケットのスイングウェイトの数値については、ストリング・セッティングと同様に、プレイヤーの好みに合わせれば良いと考えている方が多いようですが、テニスワンでは「使用する用途」に合わせるべきだと考えています。

つまり、一般的なプレイヤーであれば、「約60gの重さがある硬式テニスのボールを一般レベルの打球スピードで打ち合う」という「使用用途」に適しているかどうかが最優先事項であって、使う人の腕力の強弱で決めるような性格のものではないと考えています。

もちろん、使用用途に適した範囲内であれば、使う人の事情に応じて微調整することは可能ですが、本来の優先順位としては、あくまで、人に合わせることより使用用途への適性を優先させるべきだと考えています。

分かりやすい例では、小学生プレイヤーのラケットを選ぶ際に、身体が小さいからという理由でジュニア向けの25~26インチのモデルを選んでしまうケースが多いのですが、そういう短いモデルはスイングウェイトが極端に軽いために、普通の硬式のボールを打つのには不向きで、つらい思いをすることになります。
スイングウェイトの軽い26インチのモデルは、大人が使っても打球衝撃が強くてボールが飛ばずに力んでしまうのですが、そういうラケットを筋力の乏しいジュニアに使わせるのはどう考えても不合理です。
ジュニアプレイヤーの身体に合わせてラケットを選ぶことより、大人が打つのと同じボールを大人と同じコートで打ち合うという「用途」に適したラケットを選ぶことを優先したほうが、快適にプレーできます。

別な例では、体つきが華奢な日本選手であっても、海外に出てトップレベルの選手と対戦するためには、一般プレイヤーが使うより格段に重いスイングウェイトのラケットを使う必要があります。
もし仮に、その重いラケットを使うことで身体のどこかに無理がきても、そういう数値のラケットでなければ対等に打ち合えないのであれば、あえて使わざるを得ないということです。
打ち合うボールスピードが一般レベルとは大きく異なる状況では、その用途に適したラケットを選ぶべきで、例えそれが、今まで慣れ親しんだラケットとは大きく異なり、負担に感じるとしても、勝ち負けを争うためにはそうした選択が避けられないわけです。

逆に、一般プレイヤーが、腕力があるからといって、重いスイングウェイトのラケットを選ぶのも合理的ではありません。
打ち合うボールのスピードがプロ並みに速いわけではないのに、スイングウェイトが重すぎるラケットを使うと、さまざまな弊害が出る可能性が高いでしょう。
ある程度以上の強い打球の打ち合いでないとショットが安定しないという、一本調子の状態になってしまうケースや、スイングスピードが上がりにくかったりするケースもあります。

ですから、スイングウェイトの大小は、使うプレイヤーの好みなどで決めるべきものではなく、使用用途に適した状態に仕上げることが大切だということです。

ガードテープはガードテープとして使わないほうが良い

ガードテープを、フレームをガードする目的で貼るのはお勧めできなません。
「いきなり変なことを」と思われるかも知れませんが、実は、こういうことです。
ガードテープはラケットヘッドがプレー中にコートなどに当たって傷つくのを防ぐために貼るものですが、グリップテープなどとは違ってフレームの先端に付くことになるので、これを貼るとスイングウェイトが大幅に増加します。(増加する数値はアイテムによって異なります)

そのため、元のフレームのスイングウェイトが適正な数値であった場合には、ガードテープを貼ることで適正範囲を簡単に超えてしまうくらいにスイングウェイトが重くなるので、そのことを知らずに使うのはお勧めできないということです。
もともと、フレームのトップに付いている樹脂製のパーツ(トップガード)は交換が可能なので、それを保護するために、使いにくいスイングウェイトにしてしまうのは、元も子もないといえます。

これを逆手に取ると、スイングウェイトが軽すぎて使いにくいフレームには、ガードテープを貼るというのはアリなのです。打ち負けやすい状況が改善されて使いやすくなるでしょう。

ガードテープをガードテープとして使わないほうが良いというのはこういうことで、フレームを保護する目的ではなく、スイングウェイトを増やす目的であれば、その使用は妥当だということです。

コートでスイングウェイトを
調整する意外な方法

いつもはオムニコートで練習しているのに、試合がハードコートだったりというケースがありますが、ハードでは弾んだ後の打球がオムニより速いので、相手の打球に押される感じになることがあります。特に、ガンガン打ってくる相手だったりするとなおさらです。

そんな時には、スイングウェイトを重くして対応すると、打ち負けなくなってショットが安定しやすいのですが、試合が始まっているコート上では、何もできずにお手上げ・・・・・と諦めるのはまだ早い!
意外な方法で、コートチェンジの際などに、簡単にスイングウェイトを増やしてしまうことができるのです。

バッグの中には予備のグリップテープくらいは入っているのでは。
その、グリップテープに付属しているビニールテープ、グリップテープを巻いて最後に止めるためのものですが、キャッピングバンドというゴムバンドがフレームに付いている場合は使わずに済むので、これをスイングウェイト調整に使ってしまおうというのです。

この付属テープをガードテープのようにフレームのトップ部分に貼れば、2本で2ポイント、4本で4ポイント程度スイングウェイトがアップします。
4ポイントも上げれば効果は見込めますし、スイング感覚がおかしくなるほどの急激な変更ではないので、実用性は高いといえます。

ということは、この付属テープに限らず、テーピングテープやキネシオテープなど、接着できるテープであれば何でも良いわけです。
それを適当な長さに切ってフレームの先端にガードテープのように貼れば、スイングウェイト調整が完了です。
貼る量の調節については、明らかに重くなったと感じる場合は「やりすぎ」で、わずかに感じる程度が限界量です。

それでも、打ってみると明らかな違いが感じられるはずです。

スイングウェイトは打ちやすさや打球の威力を左右する隠れたキーポイントです。

スイングウェイトだけが
良くてもダメ

最初に「スイングウェイトの数値次第で、どんなに優れたモデルであっても使わないほうがマシという状態になることがある」と書きましたが、逆に、スイングウェイトさえ適切であれば、どんなモデルを選んでも良いということではありません。
スイングウェイトに注目している方は、フレームの特性が自分に合っていなければ、適切なスイングウェイトを選んでも意味が無いことを忘れがちです。

どんなモデルを選んでも、スイングウェイトがダメなら良い状態は得られないのですが、だからといって、スイングウェイトの数値が良いというだけで、合わないラケットが合うようにはなりません。
合わないラケットでスイングウェイトがダメなものより、合わないラケットでもスイングウェイトが適切なもののほうがまだマシという程度です。

GUT LIVEなんて必要ない!
ガットの動きが悪いせいで起こるネットやアウトを、全部自分のせいだと思い込んでいる人には、GUT LIVEは必要ありません。
◇ボールが面からこぼれてネット
ガットが動かないと「食い付き感」が生まれないので、インパクトでボールをつかまえられずにスルッとネットすることが多くなります。
◇スピンで押さえ込めずに浮いてアウト
動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。
◇打球の深さがバラバラ
ガットの動きが安定せずに、ボールインパクトで動いたり動かなかったり、戻ったり戻らなかったりすれば、ガット面から打ち出されるボールの角度が毎回変わるので、その影響で打球の深さが不安定になります。

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