テニスは無意識的な運動で打つ

テニスのショットは
「無意識的な反射運動」!?

「自分は無意識的な反射運動でボールを打っている」などと思っているテニスプレイヤーは、実際にはとても少ないようです。
でも、このことをきちんと理解するかどうかで、テニスの取り組み方が180°変わります。
一生懸命に練習を重ねても、なかなか成果が上がらないと感じている方は、ぜひ、お読みいただければと存じます。

●考えてやるには時間が無い
ボールを打つときの動きが「無意識的な反射運動」になってしまう理由はとても単純で、考えて動くには時間が足りないからです。

ストロークでは、相手が打ってからこちらが打つまでの時間はだいたい1.5秒くらいで、片方がボレーに出たりするともっと忙しくなります。
しかも、どちらかがミスするまで3秒間隔くらいで連続的に打たなければなりません。

その上さらに、相手が打ったボールを打ち返すため、こちらが打つ前のボールの状態は毎回違い、それに合わせて毎回違うスイングをしなければなりません。
飛んで来るボールを見ながら「これはどうやって打ち返そうか」などと考えていたら、ボールが通りすぎてしまうわけです。

ですから、テニスは「無意識的な反射運動」でないと対応できないスポーツなのです。

●「プレイヤーが無意識」ということではない
多くの方は、「無意識的な反射運動」などという言葉を急に持ちだされると、「自分がプレーしているときは、当然ですが、いつもハッキリ意識がしっかりあって、ボーッとしたり、無意識になることなどない」と思うかもしれません。

このように、「無意識」というと、普通は「意識が無い状態」のことを連想するのですが、「無意識的な反射運動」というのは「反射運動」が「無意識」に起きる状態のことであり、「特に意識しない運動」ということです。
「プレイヤーが無意識」ということではありません

「プレイヤーが無意識」の場合は「心神喪失」ということになって、これはちょっと危ないですが、それに対して、「無意識的な運動、あるいは、行為」は日常生活の中で普通によくあることです。

●歩くのは無意識的な運動
「無意識的な運動」の中で最も代表的、かつ、身近なのは「歩く」というアクションでしょう。
道を歩くときに「右足と左手を前に出して、次に体重移動を・・・」などと、動作を気にしながら歩く人はあまり居ないと思います。
特に気をつけなくても足を前に出し忘れたりすることはないはずで、歩くこと自体を意識せずに、何か考えごとをしながら目的地まで行くことは誰にでもできるはずです。 そして、歩きながら考えている人には、当然ですが、ハッキリした意識があります。意識があるから何かを考えられるわけです。

でも、その意識は歩くという行為には向けられていません。
そして、歩くことに意識を向けたとたんに、何かを考えることができなくなります。
ですから、何か考えごとをしながら歩けるのは、歩くことに意識が向いていないからであり、「歩くという運動が無意識化している」ということです。

●熟練してうまくなると無意識化できる
無意識に歩いている状態では、歩くことを難しいと感じたりすることはないはずですが、この「歩く」という行為を客観的に見直してみると、実は、そう簡単なことではありません。

二本足で歩くのはとても不安定なので、常に転倒の危険がつきまとうからです。
ロボットに人間と同じような二足歩行をやらせるのには相当の年月が必要だったようですし、現在でも、人と同じように軽快に走るロボットはあまり見かけません。

人の場合も、生まれてすぐに歩けるわけではなく、一人前に歩けるようになるにはある程度の訓練期間が必要です。
幼児期にはコロコロと転ぶ失敗を何度も繰り返しながら歩く練習を重ねて、成長にともなってだんだんとなめらかなで安定した歩行へと移行していき、そのうちに、歩くことに全く意識を向けなくても歩けるようになり、最終的に、考えごとをしながら歩けるようになります。

そして、こうした過程は日常生活の中に数多くあります。
車の運転なども、最初は教習所で操作方法を学んで、ハンドルやブレーキを考えながら操作するのですが、免許を取ってある程度熟練すれば、ハンドル操作やブレーキの踏み具合などをいちいち意識しなくてもスムーズに運転できるようになります。
楽器の演奏なども、最初は指の動かし方を意識しながら音を出すため、出る音がつながらないのでメロディーとして聞けません。

でも、練習を繰り返して上達すれば、旋律を思い浮かべるだけで考えなくても自然に指が動くようになり、なめらかに演奏できるようになります。
このように、練習を繰り返すと、個々の手順をいちいち考えなくてもできるようになるので操作がなめらかになりますが、それがすなわち、上達ということです。

「繰り返しやることで、難しい運動を考えずにできるようになる」のが上達であり、「考えずにできる=意識しなくてもできる=運動の無意識化」ということになります。
「上達=無意識化」なのです。

●同じことを何度も繰り返せば考えなくてもできるようになる
「自分の行動はすべて自分の明確な意思に基づいている」と考えている方にとっては、「無意識的な運動」などという言葉を聞くと、なにやら、うさん臭い気がするかもしれませんが、もし仮に、すべての行動を明確な意思に基づいてやっていたら、一日にやるべきことの半分もできないうちに、頭がパンクしてしまうでしょう。

「やり慣れたことは頭を使わなくてもできるようになる」という機能が人の脳にはあるのですが、その便利な機能を使わずに、全てのことを頭で考えてやろうとすると、思考回路がいつも稼働していなくてはならないので、頭が疲れてしまうわけです。
その便利な機能のおかげで、日常生活の中でも考えずにやっていることはかなりたくさんあります。

通勤途中で家にカギをかけたかどうか不安になって、でも、いくら考えても思い出せないということがありますが、これは、家を出るときにカギをかけるという動作が無意識化しているためです。
誰でもそうですが、意識してやったこと以外は記憶に残らないので、毎日同じように繰り返していることは、途中経過を思い出せないことが多いようです。

慣れないことをやったり、慣れないところに出かけたりすると普段より余計に疲れるのは、普段は使わない頭をそのときだけは使わなければならないからだと思われます。

人の脳は省エネ指向が強く、「考える」ことをできるだけやらずに済ませたいようで、同じことを何度も繰り返すと、その一連の手順がワンセットで記憶され、いちいち頭を使って考えなくてもできるようになります。
運動のショートカットができるようなイメージです。

その「一連の手順が記憶される場所」は、脳の「思考活動に使われる場所(大脳皮質)」とは別のところ(小脳や脳幹)なので、「大脳の思考をパスした自動実行」が可能になるわけです。
いわゆる「頭で考えなくても身体が自然に動いてしまう」という状態です。

これが「無意識的なアクション」であり、この省エネ機能のおかげで、思考のコントロールを受けずに運動することが可能になります。

●無意識化のメリットはスピードアップ
そして、それによる最大のメリットは「スピードアップ」でしょう。

思考の管理下にある運動は、考えるスピードが足かせになるので、それ以上には速くなりません。
思考の命令で動いているときは、命令が出ないうちは動きようがないので、思考が命令を出す速度(考えるスピード)より速くは動けないわけです。

ということで、考えながらやる運動は基本的にノロくなるため、考えずにやったほうが素早くできるわけですが、考えずにやるためには、事前に一連の手順を「思考活動に使われる場所」とは別のところに記憶させておくことが必要です。

ですから、動作を高速化するための前提条件として、「同じことを何度も繰り返す」という過程(=練習)が不可欠で、それによって得られる状態が「慣れや熟練によるスピードアップ」です。

熟練することで手早く処理できるようになることは世の中にたくさんありますが、「同じことの繰り返し⇒思考の管理を排除⇒スピードアップ」という仕組はどれも同じようです。

そういう意味で、「熟練⇒上達⇒無意識化」はごく普通にあることで、別段、特殊なことではないわけです。

●キーボードは無意識的に打っている
例えば、パソコンで文書を作るという作業は「意識的な行為」と考えるのが普通で、頭がボーッとしていてはできません。
文章を頭に思い浮かべるのは「思考活動」なので、当然、「意識的な行為」です。
でも、思い浮かべた文章をキーボードで打ち込むという作業は、ほとんどの場合、「無意識的なアクション」になっているはずです。

なぜなら、文章を打ち込む際に、毎回毎回、どのキーを押せば良いのかを考えながらやっていたら、いつまでたっても仕事が終わらないからです。
パソコンを使っている方のほとんどは、頭に言葉が浮かべば指が自然に動く状態になっており、そこで、「上から3列目で左から4個目のキーを押そう」などと考えていたら仕事になりません。

「初心者講習会」という言葉を打ち込むには、ローマ字入力ではキーを19回も押さなければならないのですが、こんな言葉を打つのにキー選択を19回も考えながらやっていたら、それだけで結構疲れてしまいます。
ブラインドタッチで機関銃のようにキーボードをたたけるのは、慣れと熟練によるものですが、その「慣れと熟練による無意識的なアクション」のおかげで仕事がはかどるわけです。

パソコンを打っているときの「頭はハッキリしていても手は無意識的に動いている」という状態は、プレイヤーの意識がショットの狙いを考えて、その実行時には身体が無意識的にボールを打っている状態と似ているかもしれません。

●「プレイヤー自身は全く気づいていないけれど、実はとても複雑で難しいことをやっている」その内容とは!
そして、テニスプレイヤーがボールを打つ際には、パソコンのキーボードを打つよりもっと複雑な作業をやっているのですが、ほとんどのプレイヤーはそういう認識を持っていないようです。
なので、飛んで来るボールを打ち返すという作業がどれだけ難しいかについて、もう少し具体的に掘り下げてみたいと思います。

テニスは飛んで来るボールを打ち返すスポーツなので、打つ前のボールの状態は毎回違うわけですが、その違い方は以下のような4つの要素に大まかに分解できます。
1.インパクトの位置(打点の高さ)
2.打つ前のボールの移動スピード
3.打つ前の移動方向(上昇中か下降中か)
4.飛んで来るボール回転方向と回転量
そして、これらの要素それぞれについて適切に対応してスイングを調整しないと、ショットは成功しません。このうちの一つについてだけでも対応を間違えると、ミスショットになったり、ヘロヘロの打球になったりします。

これらの要素に対してプレイヤーがやっていることを項目別に書かせていただきますので、ご確認いただければ幸いです。
1.打点の高さに応じたスイング軌道の変化
2.ボールのスピードに対応するためのスイング調節
3.ボールの移動方向に合わせたスイング調整
4.飛んで来るボールの回転に合わせたスイング調節


以下はこの記事グループの構成です。

テニスラケットの良し悪しは自分ではわからない

テニスのショットは「無意識的な反射運動」!?

1.打点の高さに応じたスイング軌道の変化

2.ボールのスピードに対応するためのスイング調節

3.ボールの移動方向に合わせたスイング調整

4.飛んで来るボールの回転に合わせたスイング調節

「テニスプレイヤーがコート上で無意識的にやっていること」

「上達への近道」—その1.自分の打ち方は自分の自由にはならない

「上達への近道」—その2.ミスを減らすために必要なこと

「上達への近道」—その3.打ち方を直すには

テニスでは上達を自覚できない

テニスラケットが合っているかどうかは自分ではわからない—まとめ

GUT LIVEなんて必要ない![広告]
ガットの動きが悪いせいで起こるネットやアウトを、全部自分のせいだと思いたい人には、GUT LIVEは必要ありません。
◇ボールが面からこぼれてネット
ガットが動かないと「食い付き感」が生まれないので、インパクトでボールをつかまえられずにポロッとこぼれてネットすることが多くなります。そう、あの惜しいネットは食いつかないガットのせいで、自分のせいではなかったかもしれないのです。
◇スピンで押さえ込めずに浮いてアウト
さらに、インパクトで動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。逆に、確実に回転がかかればショートクロスやスピンロブなどが打ちやすくなります。
◇打球の深さがバラバラ
ガットの動きが安定せずに、ボールインパクトで動いたり動かなかったり、戻ったり戻らなかったりすれば、フェースから打ち出される打球の角度が毎回変わるので、その影響で打ショットの深さが不安定になります。

自分のせいではないことで損をしたくないと思ったらこちら!↓Click!

発売以来10000個以上売れています。
リピーター増加中!

関連記事一覧