合うラケットってどんな感じ?

合うラケットってどんな感じ?

「合うラケット」とのすれ違いを防ぐために、「合うラケットはプレイヤーにどういう感じをもたらすのか」、あるいは、「合うラケットによってどういうことが起こるのか」について説明させていただきます。

  • インパクトの手応えが小さくなる
  • 振り抜きが良いと感じる
  • ボールを打つときにあまり慎重にならなくなる
  • 打った後にすぐに動けるようになる
  • 打球が重いと言われる
  • 相手がつまらないミスをする
  • ラケットの存在感がなくなる

上記について、これから説明させていただきます。

インパクトの手応えが小さくなる

強い手応えを感じた時に「しっかり打てた」と誤解する方が多いのですが、プレイヤー側の運動エネルギーが効率良く打球に伝わったときは手応えが小さくなります
手応えが小さかったときは、プレイヤーのスイングによって作り出された「ラケット側の運動エネルギー」が、飛んでいくボールに全部移ってしまったので、手応え(=衝撃)を生むだけのエネルギーが残らなかったということです。
逆に、強い手応えがあった場合は、「ラケット側の運動エネルギー」が衝撃発生に使われたわけで、その分、飛んでいくボールのエネルギーは減ってしまいます。
プレイヤーが作り出した「ラケット側の運動エネルギー」が効率良くボールに伝わらず、手応えとしてプレイヤー側に戻ってきてしまったということです。
ですから、「手応え=出戻りエネルギー」というふうにご理解いただくと良いでしょう。
でも、手応えがしっかり感じられる「伝わらないラケット」を使ってきた方は、その効率良く伝わった状態を、「しっかり打ったという手応えが感じられない」と思ってしまうことがあります。
そのため、達成感が得られずに、もの足りない、つまらないと感じることが多いようです。
ですが、手応えを求めて力を入れて打っている限り、入れた力が伝達ロスとなって打球衝撃に変換されるだけでボールに伝わらないため、力んで勢いのない打球を打ち続けるという状態から抜け出すことができません。
さらに、「合わないラケット=伝わらないラケット」を使ってきた方は、合うラケットに持ち替えても、そのラケットで再び強い手応えを感じようとすることがあります。
せっかく良い状態になったのに、自分からそこを抜け出そうとするわけです。
ですから、合うラケットに持ち替えた際には、手応えは伝達ロスで手応えのないインパクトがベストだというように、インパクトイメージを変更することが必要になります。
そして、合うラケットを使ってインパクトイメージが正しく修正されれば、力を入れて打つ状態から解放されて、リラックスした動きで勢いのある打球を連続的に打ち続けることができるようになります。

振り抜きが良いと感じる

インパクトで発生する打球衝撃が大きいと、そこでラケットヘッドの移動速度は大きく減速します。
素振りのときは打球衝撃がないので、インパクトポイントでの減速はゼロですが、実際にボールを打ったときには、打球衝撃が大きければ大きいほど、ラケットヘッドがそこを通過するときの抵抗が大きくなるので、大きく減速することになります。
逆に、インパクトで感じる手応えが小さいときは、インパクトでボールから受ける抵抗が小さくなるので、ラケットヘッドはそのまま減速せずに、それまでのスピードを保ったまま惰性で打球方向に動き続けるわけです。
そのとき、プレイヤーには、インパクトポイントをヘッドがスルッと通りぬけていく感覚が生まれますが、これが「振り抜きが良い」という状態です。
ところが、世の中では、「振り抜きの良いラケット」というものが固有に存在すると思われているようで、ラケットメーカーの広告にも実際にそうした表現があります。
空気抵抗を減らしたり、スイングウェイトを軽くしたりすれば、振りやすくなると単純に思いがちですが、それは、ただ単にラケットを振った時のことであって、実際にボールを打った時には、それとは全く違うことが起きるのです。
プレイヤーの運動がうまく打球に伝わらなければ、インパクトでボールから受ける抵抗によってラケットヘッドのスピードが大きく減速するので、いくら空気抵抗を減らしたり、スイングウェイトを軽くしたりしても振り抜けないわけです。
プレイヤーのスイング特性とラケットの特性が合えば、インパクトでラケットヘッドが減速せずに、スルッと振り抜ける状態が訪れるということです。
ということで、万人向けの「良いラケット」が存在しないのと同じように、誰が使ってもスルッと振り抜くける「振り抜きの良い」という性能を持ったラケットは存在しないわけです。
ボールを打ったときにスルッと振り抜けるラケットが「自分に合うラケット」です。

ボールを打つときにあまり慎重にならなくなる

プレイヤーの運動がうまく打球に伝わるようになると、インパクトの手応えが小さくなるため、プレイヤーの意識もインパクトにあまり向かなくなります。
インパクトで生まれる感覚が強ければ強いほど、プレイヤーの意識は自然とそこに向かいやすくなりますが、インパクトの感覚が弱くなることによって、打つことの感激やイベント性が薄れていくわけです。
さらに、プレイヤーの意志がスムーズに打球に反映されて、不本意なことが起こらない状態では、ボールを打つことについて「ああしよう、こうしよう」という考えが浮かばなくなります。
逆に言えば、ゲーム中にボールを打つことに意識が向くのは、やろうとしたことがうまくできていないからであり、その時点ですでにアウトなのです。
打ち方を気にしなければボールが打てないということ自体が、使用しているラケットやストリングがその時の自分のプレーに合っていないことを示しており、それらについて試合前に済ませておくべきことができていなかったということです。
そして、打つことにあまり注意が向かなくなると、プレイヤーの動きの精度は逆に上がります。
というのも、打つことにあまり注意が向かなくなると、頭でゴチャゴチャ考えずに身体にまかせで打っているような状態になるので、ギクシャクした感じが消えて動きのキレが良くなるからです。
その上さらに、プレイヤーの意識が「打つこと」に向かなくなると、試合の流れや戦略的なことに意識を向けることができるため、余裕が生まれるわけです。

打った後にすぐに動けるようになる

合わないラケットでは、プレイヤーの運動が打球にうまく伝わらないので手応えが生まれ、手応えがあるから力が入るのですが、力を入れても伝わらないことに変わりはなく、結果的に、ボールに伝え切れなかった力は身体が素早く動くことを邪魔します
ハードヒットしたとき、打った後に身体が少し固まってしまうのは、入れた力が伝わらなかったからであり、身体に力みが残ってしまうのです。
打った後にバランスが崩れやすくなるのも同じ理由です。
そうした力みが消えるのと、崩れたバランスを立て直すには、ほんの少しですが時間を取られます。
それは、とてもわずかな時間ではあるのですが、プレー中はとても忙しいため、それが次のショットへの準備開始を遅らせる原因になり、プレー上、大きな不利益をもたらします。
動き出しが早ければ、遠いボールにもゆったりした動きで間に合うのですが、合わないラケットで力を入れて打っていると動き出しが遅くなるので、急加速、急停止を繰り返すことになって、バタバタした動きになります
打つのに力を使って、なおかつ、走るのにも力を使うので、疲労が早く蓄積します。
こうした症状を、ラケットドックの現場では「打ち終わりが遅い」と呼んでいます。
前のショットの影響がインパクト後の身体の動きを少しの間、拘束するわけです。
力を入れて強く打とうとすると、強打が単発で終わってしまい、連続的に打ち続けることができないのは「打ち終わりが遅い」からです。
プレイヤーの運動がうまく打球に伝われば、その運動はインパクトの瞬間に終わってしまいます
うまく伝われば、打つことでバランスが崩れることもないわけで、そうすると、リラックスした状態で強い打球を「連続的に」打ち続けることが可能になります。
そういう状態では、インパクト後に次のショットに向けてのアクションが素早く始められるので、相手の状態もよく観察できて、相手の打球に対して余裕を持って対応できるようになります。

打球が重いといわれる

硬式テニスのボールは約60gの重量がありますが、プレー中に、この重さが変わることは物理的にはあり得ません。
ですが、言葉の上ではボールの重さというのはプレイヤーの間でよく話題になり、実際にそういう感覚が生まれるケースも少なくないようです。
プレイヤーが打ったボールを注意深く観察していると、打たれた直後の初速は同じくらいでも、飛んでいる途中での減速が大きくて、弾んだ後に極端に勢いがなくなる打球と、ネットを越えてからの減速が少なく、弾んでからも勢いがある打球を見分けることができます。
そして、前者は力任せに打っているプレイヤーの打球で、後者はラケットがスムーズに振り抜けている時の打球です。
後者の打球は、言葉を換えれば「伸びのある打球」という表現になるのですが、もちろん、打ち出された打球が伸びることはなく、正確に言えば減速感が少ないだけなのです。
ですが、飛んできた打球が減速するのはプレイヤーの視覚に事前に織り込まれているため、減速が少ないと伸びてくるように感じてしまうのです。
その結果、相手プレイヤーにとっては予測より早くボールが到達するので、千分の数秒くらい、微妙にインパクトタイミングがずれることになり、それがインパクトの手応え=重さとして感じられるようです。
ですから、重い打球は、「ガツン」というインパクトから生まれるのではなく、打った感じがあまりしない、スルッと振り抜けたインパクトから生まれるわけです。
これについても多くのプレイヤーは誤解しており、このことを知るだけでショットの改善につながるかもしれません。

相手が変なミスをする

特にこちらがしっかり打ったわけではなく、さらに、それほど速い打球でもないのに相手が変なミスショットをするときがあります。
それが、こちらの打球に伸びがあったときだとご理解ください。
前項でも触れましたが、プレイヤーの運動が効率良く打球に伝わると打球に伸びが生まれます
それほど速くない打球でも、向こう側での減速が少ないわけです。
こちらが力を入れて打っていないので、そのときのスイングには迫力が感じられません。
そのため、相手も特に緊張感を持たずに対応しようとします。
そういう状況で、力の抜けたスイングで打たれた、それほど速くもないボールを打ち返そうとしたら、意外に手元で伸びてきたというのが変なミスの内容です。
ミスショットにならないまでも、変に甘いショットが返ってくるというのも、こちらの打球が「行っている」(=伸びている)時の現象です。
「変に」というのは、良いショットを打ったという自覚のないときにという意味です。
反対に、「どうだっ!」という感じで、どや顔で打った時に簡単に打ち返されてしまうのは、こちらの打球が行っていないということです。
相手の打球が厳しいところに打ち込まれるのも、同じ原因です。
相手の変なミスや変に甘い返球が起きた時のこちらの打球感覚を覚えておくと、効率の良い打ち方を確実なものにしていくことができるでしょう。

ラケットの存在感がなくなる

ラケットで打っていることを忘れてしまうような「存在感のなさ」が感じられれば、ラケットが合っているということです。
「テニスラケットで打っている」という自覚が生まれるラケットほど合っていないわけです。
そして、手応えを期待している人にとってはつまらない印象であっても、手応えがないのがベストだと思っている人にとっては、軽い手応えでボールがビューンと飛んでいくのはとても気持ちが良いものです。
さらに、スムーズな動きで力まずに打っているだけで試合に勝てたら、それが一番気持ちが良いのではないでしょうか。
打球感の好きなラケット」ではなく、「自分に合うラケット」を選べば、その気持ち良さに近づけます。

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◇ボールが面からこぼれてネット
ガットが動かないと「食い付き感」が生まれないので、インパクトでボールをつかまえられずにポロッとこぼれてネットすることが多くなります。そう、あの惜しいネットは食いつかないガットのせいで、自分のせいではなかったかもしれないのです。
◇スピンで押さえ込めずに浮いてアウト
さらに、インパクトで動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。逆に、確実に回転がかかればショートクロスやスピンロブなどが打ちやすくなります。
◇打球の深さがバラバラ
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