テニスラケットのガット張りの適切な硬さとは

ガット張りの適切な硬さとは

「推奨テンション」が元凶

テニスワンではこれまで、一般プレイヤーが使用しているラケットの張上状態を10,000本以上チェックしてきましたが、その中で適切な硬さから外れているケースのほとんどは「硬すぎ」という状態です。
さらに、その原因もわかっていて、フレームやカタログに記載されている「推奨テンション」が問題なのです。
「推奨テンション」の数値表記がストリングマシンの性能変化に対応していないため、現在の最新マシンでは、推奨範囲の下限値で張っても硬すぎる張り上がりになるというケースが増えています。
現実的に、メーカーのスタッフ自身が、自社の試打ラケットを張り上げる際に、推奨範囲の下限値より10ポンド低い張力で張っているケースなども散見されます。
国内ブランドでは、推奨範囲を低めに改訂する動きも徐々に出ていますが、海外ブランドの場合は旧態依然の状態です。
ラケットメーカーが表示する「推奨テンション」の数値が不適切だなどとは、普通は誰も考えないわけで、そのために、不適切な張り上がりの増加につながっているようです。
「ガットを張るときは50~60ポンドが普通」という大昔の常識が、多くのテニスプレイヤーやストリンガーの頭の中に残っていることも、この問題の根底にあります。

面圧55が標準—実績が証明する適切な硬さ

テニスワンでは、ラケットドックというイベントでこれまで10,000名近い方にラケットフィッティングを実施してきましたが、フィットしたラケットのほとんどが「面圧55」でセットされたものです。
※「面圧55」は、「55ポンドで張る」ということではなく、数値の単位も含めて全く異なるものです。
一般的には、張上の硬さを「プレイヤーの好み」で決めることが多いようですが、残念ながら、好みどおりに張り上げても、必ずしも良い結果につながるとは限りません。
ボールを打ったときの手応えは、打球に伝わらなかった衝突エネルギーがもたらすものなので、その感覚はできるだけ小さいほうが良いのですが、張上の硬さを好みで決めていると、「手応え感覚」の好き嫌いでセッティングを選ぶようになるため、打球にパワーがうまく伝わらない状態になりがちです。
ラケットフィッティングでフィットするストリング・セッティングは、プレイヤーの好みによる選択ではなく、「プレー上で良い結果が出るセッティング」ということです。
ラケットドックでは、プレイヤーのパワーが打球に効率良く伝わるラケットを探しますが、その過程で、ストリング・セッティングについても伝達効率の良い状態が求められるわけです。
ストリング・セッティングが適切でなければ、ラケットフィッティングそのものが成立しないので、「面圧55」は10,000名近いフィッティング実績によって裏打ちされたセッティングなのです。
テニスは繰り返し打ち続けるスポーツなので、そこで基本的に求められるのは「少ない力で強い打球」であり、それには、「伝達効率」がカギを握っているのです。
プレー環境は日々変化するので、それに対応するためには張上の硬さについても若干のアジャストが必要ですが、伝達効率の良いストリング・セッティングは「面圧55」から大きく外れないほうが無難でしょう。
実際に、テニスワンの張上実績の9割近く「面圧52~58」の範囲に入っています。

テニスワンのガット張りは
「結果の硬さ」で指定できます

「何ポンド」は結果ではない

「何ポンド」という張力は、張る際の「1本1本1のストリングを引っ張るときの力」のことであり、引っ張られたストリングを仮留めしながら張り上げて、最終的にストリングを結んで作業が終了したときのストリング面の硬さを示すものではありません。
「何ポンド」という数値は、張るときのマシンの「設定値」であって、「張り上がりの硬さ」という「結果」を示す数値ではないのです。
そして、プレーに実際に使用するのは「張り上がったラケットのストリング面」であって、「マシンの設定値」ではありません。
「結果」が大事なのであって、作業時の「設定」はその前のことなのです。

ストリングマシンには張り上がったときの硬さ(=面圧)を測定する機能がないため、結果がどんな状態かを知るためには、ストリングマシンとは別の機械で計測する必要があります。
そのため、多くの場合、結果を測定せずに張りっぱなしの状態になっているようです。

計測⇒記録⇒データ整理

テニスワンではすべてのガット張りの結果を記録して、さらにそれを整理分類して、モデルごと、ストリングアイテムごとにデータベース化しているので、指定された結果(=面圧)を出すための張力値が、モデルごと、ストリングアイテムごとにすぐにわかる状態になっています。
「結果の計測⇒データの記録と整理」の積み重ねによって初めて、「結果の指定(=面圧指定)」が可能になるのです。

やり方指定は普通はあり得ない

料理店でステーキの焼き加減やラーメンの麺の硬さを指定するときは、「ミディアムレア」とか「硬め」とかの「結果の状態」を指定するのが普通で、「強火で5分焼いて!」とか「3分ゆでて」とかの「やり方」を指定することはまずありません
ところが、テニスのガット張りでは、「結果の状態」ではなく、「何ポンドで張って!」という「やり方を指定する方法」が普通になっています。
通常の商売では、お客様が好みの出来上がり状態を指定し、それに対して、要求された状態に仕上げるためのやり方を決定するのは店側がやらねばならない仕事なのですが、テニスのガット張りだけは、オーダーする側が「結果」ではなく「やり方」を指定することが要求されるのです。
さらに、結果の計測をしないのは、料理を作って味見をしないのと同じです。
結果の計測をしなければ結果の指定は受けられないので、やり方の指定を受けるしかないわけです。
張替のオーダーの際に張力の指定を要求するのは、ステーキの注文で「出来上がりの状態は特にチェックしていないので、何分焼くかを指定してください」というのと同じことです。

ガット張りは手作業

そして、「ストリングマシンの張力をいくつに設定して張るか」というのは、やり方の「一部」であって「すべて」ではありません。
ですから、張力を指定しても、その他のすべての要素が一致しない限り、張り上がりの硬さが同じになる可能性はないのです。
「その他のすべての要素」とは、使うマシンの性能ストリンガーの技術レベル作業の内容等です。
ガット張りは、全自動洗濯機のように、スイッチを押すだけで手間を掛けずに全部済んでしまうというような作業ではなく、「手洗い洗濯」のような仕事内容なので、人によってやり方が変わり、それによって結果も変わります。
テニスワンでは、最高級のストリングマシンを使用していますが、それでも作業内容のほとんどは手作業です。
張る際に、あまり手間をかけずに、ストリングを引っ張って留めるという作業を単純に繰り返すだけでは、きちんとした張り上がりは期待できません。
作業途中で、緩みが出ないようにさまざまな手間をかけないと、高い張力を使用しても緩い張り上がり(=低い面圧)になります。
逆に、ロスが出ないように細かい手間をかければ、低い張力でも高い面圧に張り上がります。
ですから、「張力をいくつに設定するか」より、「ストリンガーがどんな技術内容で張るのか」のほうが、張り上がりの結果に大きく影響するのです。

モデルごとに異なる設定が必要

フェースのサイズが同じ100平方インチのラケットであっても、モデルが異なれば、それによってフレームの形状やグロメット(ストリングが通る部分)の構造等が変わるため、同じ張力で張り上げても同じ硬さに張り上がりません。
特に最近は、グロメットの構造が多様化しているため、張り上がりの硬さへの影響が大きくなっています。
さらに、フェースサイズやストリングパターンが異なる場合は、同じ張力で張っても同じ硬さにならないのは明らかです。
ですから、「適切な硬さ」をテーマにする場合、その硬さに張り上げるためには「モデルごとに張力の設定を変えなければならない」ということです。
ただ、これについても、張り上がりの結果をチェックしていなければ無理な話で、同じ結果にするためには結果のチェックは不可欠です。
先程のステーキの焼き加減の場合も、肉の大きさや厚みによって火加減を変えなければ、同じ「ミディアム」にはならないわけで、パスタの場合も種類や太さによってゆで時間を調節しないと「アルデンテ」にはならないわけです。
そういう場合、普通は、適切な結果になるようにやり方を調整するのはオーダーを受けた店側の役目であって、オーダーする側がそれをあれこれ考えなければならないとすれば変な話です。


ということで、「張力の数値」を指定することと「張り上がりの硬さ」を指定することは全く別のことなのです。
大事なのは張る際の設定値ではなく「張り上がったの硬さ=面圧」です。

知らないと損をする
ガットについての情報

ガットとガット張りについて誤解しやすいポイントを集めました

ガットの
基礎知識
テンション
ガットの知識
素材について
ガットの知識
太さについて
ガットの知識
ポリとナイロン
飛びを抑える
のは最悪
プロのセッティング
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「ポンド」は
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異なる硬さを
打ち比べる
適切な
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好みで決めると
外れる!
条件変化に
対応した
適切な硬さ
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適切ではない
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ガット張りについて
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