スピン系ポリはお勧めではない!?

スピン系ポリは
あまりおすすめではない!?

ポリは飛ばない

私どもテニスワンでは、ポリ系のガット自体を一般のプレイヤーにはあまりお勧めしていません。
その理由は、ポリを選ぶと高い耐久性が得られる代わりに、飛びや手応えの面でデメリットがあるからです。
特に、女性やジュニアプレイヤーのようなあまりパワーのないプレイヤーが、ポリを普通のストリングだと思い込んで、あるいはそのように人から勧められて張っているのを最近よく見かけますが、戦力的な面からはあまり適切な選択ではないと思います。

実際問題として、テニスワンのラケットドックで見る限りでは、男性のプレイヤーであっても、ポリ系ガットで「ボールが行っている」ケースは少なく、ジュニアや女性の場合は、ほとんど例外なく「飛んでいない」という状態になります。

登山ロープなどに使われるのは、ポリエステル繊維ではなくナイロン繊維が多いのですが、これは、ナイロンのほうが落下したときの衝撃を素材の伸縮で吸収してくれるからですが、それに比べると、ポリエステル繊維は伸縮性が低いため、ボールが当たったときの衝撃が強く、ボールがあまり飛びません。

打球衝撃が強いと本人はしっかり打っている感じがするのですが、打球は失速しやすくなります。
(参照:ラケットの「打球感」のワナから抜け出そう!

ポリは進化が速い

ポリ系ガットは素材配合を更新するだけで新製品が作れるので製品の開発期間が短く、性能的な面の改善もナイロン系のものより速く進んでいると言えます。
そのため、新しい製品が出るたびに、飛びの悪さが徐々に改善される傾向があります。

先日、テニス専門誌の取材で多角形型ポリの試打評価をした際に、ポリ系のガットについて以下のような変遷を感じました。

切れにくいだけで硬くて飛ばないポリを第一世代(バボラ/ポリビートなど)とすれば、その後に登場したマイルドな感触のものを第二世代(ルキシロン/アルパワーなど)、最近出てきている反発力を高めたものが第三世代(ポリファイバー/ブラックヴェノムなど)と続きますが、結論としては、ポリの弊害が少なくなってきて、性能的にはナイロンガットに近付いてきているというのが全体的な流れです。

ナイロン系ガットについても、耐久性を向上させたアイテムが徐々に開発されてきています。
つまり、ナイロンとポリは、両者の欠点を補って、その溝を埋めようと近づきつつあるわけです。

飛びを確保するには
ハイブリッドも選択肢に

でも、そうはいっても現状では、ナイロン系ガットと同等の反発力を持ったものはまだ無いため、ポリを選択するときは、どうしても飛びが悪くなる可能性があることを知っておく必要があります。

ですから、もし、ナイロン系のストリングで3ヶ月以上切れずに使えるのであれば、わざわざ切断耐久性の高いストリングを選ぶ必要はないと思います。

しかし、現実には、ナイロンでは20分くらいの練習で切ってしまうというプレイヤーも居るため、そういう場合はポリを選ばざるを得ないというのが実情です。
ただ、そういうケースであっても、切断耐久性を得ることで、その代わりに失うものがあるということを頭に置いておく必要があります。
ポリやポリハイブリッドを選ぶということは、「ボールが行かなくなって勝ちにくくなる」おそれがあることを、ある程度は承知の上で耐久性を優先するという判断なのです。
ちなみに、ハイブリッドを含めてそれぞれを比較すると、「ナイロン100%」>「メイン:ナイロン&クロス:ポリ」>「メイン:ポリ&クロス:ナイロン」>「ポリ100%」という順で飛びが悪くなるのと裏返しで切断耐久性は上がって行きます。

ですから、ナイロンがダメならポリと短絡的に選ばずに、途中のハイブリッドも順に試されると良いでしょう。

アウトが多いのは
飛びが悪いから

自分の打球が「行っているかどうか」については、自分で判断するのは難しく、プロの場合でも、ヒッティングパートナーやコーチに聞いて確認することがあるようです。

基本的には、「しっかり打った感じ」がある時ほど打球が失速します。
いくらしっかり打ち込んでも、結構簡単に打ち返されてしまうという「報われない状態」に陥っているのを感じたら、「自分の打球が行っていない」ことを疑ったほうがいいでしょう。

※誤解されやすいのですが、ポリをガチガチに張ってもアウトが減らないというケースは、飛びすぎているのではなく、飛びが悪いのが原因です。
(参照: 「ストリングの張りが硬いとアウトが増える!?」)

スピン系のポリ

スピン性能を売りにした3~8角形などの多角形型ポリについては、いろいろ試しましたが、やはり、基本コンセプトがミスマッチではないかと感じます。

というのは、スピンというのはアウトを防ぐための技術で、順回転をかけることで打球の飛んでいく方向を下に曲げてコートに着地させるわけですが、この技術が必要になるのは、スピンをかけないとアウトしやすい、つまり、フラットでは飛びすぎるという状況です。

ところが、プロの場合は別にして、一般的なプレイヤーにとってはポリ系のガットはもともとナイロンよりボールの飛びが悪いので、特に強いスピンをかけなくてもナイロンよりはアウトが出にくいのです。
それどころか、スイングパワーがあまりないプレイヤーがポリを使うと球足が短くなりやすいので、回転量の少ない棒玉になってしまうケースも見受けられます。

別のケースでは、ポリで回転をかけると球足が短くなるので、それを防ぐために打球軌道が高くなるというのもあります。

その結果、ポリで強いスピンをかけたときに、打球が高く飛んで中ロブのようになっている状態も見かけられます。

ネットを越えるときの打球の高さがネットから2m以上も上である場合、その打球が相手に到達するまでには結構時間がかかると考えられます。つまり、回転だけはかかっているけれど遅いボールなのです。
そんな状態では、苦労してスピンをかけても、相手が準備するのに十分な時間を与えてしまうことになり、プレッシャーをかけることができません。

スピン系ショットは、回転さえかかっていればそれで良いというものではなく、スピンの一番の武器は着地後に相手に向かって加速していくような推進力です。
その伸びがなければ、ただの高く弾むボールなので、そういう打球に慣れた相手プレイヤーにとっては、高い打点から打ち込みやすいイージーな打球になってしまうでしょう。
推進力のあるスピン系ショットを打つためには、ボールの真後ろから打ち抜いて、振り抜きの速さで打球軌道を強引に押さえ込むような厚い当たりのスイングが必要なのですが、ボールの表面をこするような薄い当たりのスピンでは相手にとって打ちごろの打球になっていまいます。
ポリでは飛びが足りないプレイヤーにとっては、スピン系ポリで打球の伸びを出そうとすれば、どうしても回転量が減る打ち方になるので、そのストリングが角張って引っかかりが良くても、あまり意味がないということになり、そういう観点からミスマッチになる可能性が高いということです。

スナップバックと
スピン系ポリはミスマッチ

ウイルソンの「STEAM 99S」が発売されてから、「スナップバック」という言葉が一般に浸透してきています。
これは、「ボールによって動かされたストリングが、元の位置に戻る際にボールに回転をかける」という機能を表す言葉で、高速度撮影された映像などで、その内容が紹介されているのを見たことがある方も多いでしょう。

このスナップバック機能を高めるためには、「動いて戻る」という「ストリングが動きやすい状態」を作り出すことが必要で、「STEAM 99S」では、そのために横のストリングの数を大幅に減らして、縦ストリングが移動する際の摩擦抵抗を少なくしています。

そして、ストリングが動きやすい状態を作り出して維持するためには、ストリング表面には高い潤滑性が求められます。
なぜなら、ストリング表面の摩擦が大きくて滑りにくい場合は、動いたストリングが行ったきりになって戻ってこないからです。
「スナップバック」によって回転をかけるためには、ガットの表面がツルツルのほうが良いわけです。

これに対して、スピン系のガットは、ボールと接するときの摩擦抵抗を大きくするために表面をギザギザにして角を立てているのですが、それは同時に、ガット同士の摩擦抵抗も大きくしてしまい、ボールが当たったときにガットが動きにくい状態を作ってしまいます。

ということで、「ガットの断面を多角形にして角を立て、ガット表面の摩擦抵抗を大きくしてスピンをかける」という考え方と、「ガットを動きやすい状態にしてスピンをかける」という考え方は、ガットの側から見ると全く正反対の開発理論であることがわかります。

昔からこうした議論はあって、これまでは平行線だったのですが、最近は「スナップバック」という言葉が市民権を得るようになって、「動きやすくする」理論のほうが優勢のようです。

ですから、仮に、「スピンモンスター」と呼ばれる「STEAM 99S」にスピン系のポリを張った場合は、ガット同士の摩擦抵抗が大きくて、インパクトで動いたストリングが戻らずに、ずれたままになってしまうでしょう。

ガットの可動性を高めてスピンをかけるには、インパクト後の縦ガットが常にまっすぐになっていなければなりません。
なぜなら、動いたガットが元に戻るときにスピンがかかるので、毎回のインパクトでガットが元の位置まで戻っていることが必要だからです。
動いたガットが戻らずにずれたままであれば「スナップバック」が起きなかったということです。

ややもすると、スピンモンスターにスピン系のガットを張れば最強!と考えてしまいそうですが、実際にはミスマッチ!ということです。

プロ選手とポリ

プロ選手の場合、ポリ系ストリングの使用率が高いので、それに影響されて一般プレイヤーの間でもポリの使用率が上がっているようです。

でも、プレー内容の違いを考えずにプロと同じガットを使うのはあまりおすすめできません。
そのプレー内容の違いで一番ハッキリしているのは、インパクトの強さの違いです。

通常であれば、ポリガットは伸び縮みが少ないためにスナップバックが起きにくいのですが、プロの場合はそんなことはお構いなしで、強い力でガットを動かしてスピンをかけます。
ところが、一般プレイヤーのインパクトではガットが動きにくいので、ボールがつかまらずにスッポ抜けやすくなるわけです。

ガット張りのベースはラケット

ストリングに着目している方は、おおもとのラケットが自分に合っていなければ「快適にプレーできるストリング・セッティング」には出会えないということを忘れがちです。

つまり、ラケットが合っていなければ合うストリング・セッティングも無いわけです。

料理に例えると、調理する対象の素材が悪ければ、味付けをどんなに工夫してもおいしい仕上がりにはなりません。
ストリング・セッティングをいろいろ工夫しても納得できるものがなかなか見つからない場合は、自分とラケットの相性を疑ってみるのも一つの方法です。

GUT LIVEなんて必要ない![広告]
ガットの動きが悪いせいで起こるネットやアウトを、全部自分のせいだと思いたい人には、GUT LIVEは必要ありません。
◇ボールが面からこぼれてネット
ガットが動かないと「食い付き感」が生まれないので、インパクトでボールをつかまえられずにポロッとこぼれてネットすることが多くなります。そう、あの惜しいネットは食いつかないガットのせいで、自分のせいではなかったかもしれないのです。
◇スピンで押さえ込めずに浮いてアウト
さらに、インパクトで動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。逆に、確実に回転がかかればショートクロスやスピンロブなどが打ちやすくなります。
◇打球の深さがバラバラ
ガットの動きが安定せずに、ボールインパクトで動いたり動かなかったり、戻ったり戻らなかったりすれば、フェースから打ち出される打球の角度が毎回変わるので、その影響で打ショットの深さが不安定になります。

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