選び方ガイド5/ フェースと厚み

ラケットの選び方ガイド
その5

フェースサイズと
フレーム厚の選び方

フェースとはラケットの先のガットが張られている部分のことで、プレー中は主に、ここにボールが当たりますが、必ず当たると約束されているわけではありません。
この部分の内側面積をフェースサイズと呼んでいて、その数値が「平方インチ」という単位でカタログに表示されています。
この数値が大きいほどフェースが広いということで、その数値は現在市販されているモデルでは、85~120平方インチ程度となっています。
フェースサイズについては、数値が大きいほど楽にボールが飛ぶというのが基本です。
ですから、フェースサイズが85のラケットは飛ばないタイプで、120は良く飛ぶタイプということです。

大きいほうが当たりやすい!?

テニスはフレームショットや空振りが避けられないスポーツですので、フェースサイズが大きいラケットは、そういうミスが減りそうな気がして魅力的なのですが、実際問題として、そうしたメリットについてはあまり期待しないほうが良いようです。
実際に、90平方インチと110平方インチという両極端のラケットを比べても、全体の横幅では3cmほどの違いでしかありません。半径で1.5cmくらいの差しかないわけです。
そんな違いでも、広いほうが有利なように思えますが、実際には、フェースの中心から5cmくらい打点がズレれば面がブレてボールがきちんと飛ばないので、それより外側に1.5cmの余裕が有っても無くても、結果には大差がないわけです。
フェースの大きさは、プレーを助けてくれそうな気がしますが、現実的にはそれほど助けにならないということです。
100平方インチのラケットを使っている方が、95に持ち替える際などには、「当たるかな?」とちょっと不安に思うことがあるようですが、具体的な差は横幅で6mmくらいです。
半径3mmの違いをプレー中に感じ取るほうが難しいといえるかもしれません。
小さいと当たりにくいというのも心理的な問題だけのようです。

フレーム厚の選び方


ラケットのフェースを真横から見た時に、厚みとして見える部分のことをフレーム厚と呼んでいます。
その数値は現在市販されているモデルでは、17mm~30mm程度となっています。
フレーム厚についても、フェースサイズと同様に、数値が大きいほど楽にボールが飛ぶというのが基本です。
ですから、17mmのラケットは飛ばないタイプで、30mmは良く飛ぶタイプということです。ということで、「フェースサイズ」と「フレーム厚」という二つの数字については、両方とも数値が大きいほど良く飛ぶとご理解いただいて良いでしょう。
さらに、この二つの数字の組み合わせは基本的に、「狭い+薄い」という組み合わせと、「広い+厚い」という組み合わせになっているケースが多く、「狭い+厚い」という組み合わせと「広い+薄い」という組み合わせのモデルは、現在の市場ではあまり見受けられません。
つまり、「飛ばない+飛ばない」という組み合わせか「飛ぶ+飛ぶ」という組み合わせになっているわけです。
これ以外では、「それほど広くないフェース」+「それほど厚くないフレーム厚」という組み合わせになっており、これが中間的な飛びのグループを形成しています。

現在のラケット市場の傾向

現在のテニス市場に出ているラケットは、そのスペック数値のバリエーションの幅がだんだん小さくなって来ているように感じます。
つまり、「フェースサイズ」と「フレーム厚」の両方について、現在発売されているモデルの数値的なバリエーションの幅が以前より狭くなっているようです。
「フェースサイズ」については、110~120平方インチくらいの大きなフェースのモデルの市場におけるシェア(売れている比率)がかなり小さくなっており、同時に、90~95平方インチくらいの小さいフェースのモデルも減っています。
そのため、100平方インチを中心にして98~105平方インチという狭い範囲に多くのモデルがひしめいている感じです。
「フレーム厚」についても、30mmに近い数値の厚いモデルは見当たらなくなり、17~19mmくらいの薄いモデルも減って、23~24mmを中心にした狭い範囲に固まっています。
これは、現在のラケットの素材・構造を前提にすると、極端に飛ぶラケットと極端に飛ばないラケットの両方とも、合うプレイヤーがほとんど居ないことを示すとともに、スペック数値を極端に変えなくても、モデルごとの性能的な違いを十分に出せるようになったことを示していると思います。

ラケットのパワーとプレイヤーとの相性

テニスコートの広さは世界共通ですので、プレイヤーの体格やパワーの有る無しでプレーするコートの広さが変わることはありません。
ということは、プレイヤーのパワーの有る無しに関わらず、誰でも基本的に打球の飛距離を同じにしなければならないわけです。
そのため、パワーの有るプレイヤーはあまり飛びのでないラケットを使ったほうがアウトしにくく、その反対に、パワーの無いプレイヤーは飛びの出やすいラケットを使ったほうが打球が短くなりにくいということになります。
このように、適切な飛びを得るためには、「ボールの飛距離=プレイヤーのパワー+ラケットのパワー」という形で考えていただくと良いと思います。
ラケットとプレイヤーのパワーの合計を同じにするには、どちらかが大きい場合は、もう片方を小さくしなければならないということです。

理屈で選ぶのは無理
ここまで、ラケットを選ぶ際の基本的な考え方についての解説をしてきましたが、残念ながら、こうしたことを全て理解しても、自分にピッタリのラケットが選べるわけではありません。
というのも、ラケットの良し悪しは「プレイヤーの身体」と「ラケットの特性」との相性で決まるため、理詰めで選ぶのは無理だからです。
自分に合うラケットを手に入れるには、ラケット・フィッティングというコート上の人体実験が必要です。
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さらに、インパクトで動いたガットが戻るときに順回転がかかるので、ガットが戻らないと回転が安定せずスッポ抜けのアウトが出やすくなります。逆に、確実に回転がかかればショートクロスやスピンロブなどが打ちやすくなります。
◇打球の深さがバラバラ
ガットの動きが安定せずに、ボールインパクトで動いたり動かなかったり、戻ったり戻らなかったりすれば、フェースから打ち出される打球の角度が毎回変わるので、その影響で打ショットの深さが不安定になります。

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