テニス/上達への回り道

上達への回り道

上達への近道はなくても「回り道」はたくさんあるようです。
そして、一旦その迷路に入り込むと、そこから抜け出すのが難しいので、多くのムダな時間が費やされます。
さらに、実際にその迷路にはまり込んでもがいているプレイヤーはかなり多いようです。
その迷路とは、簡単に言えば「打ち方の工夫をしながらプレーをする」という取り組みです。

考えながら打とうとする

上達への意識が高い方ほど、ただ漫然と何も考えずにボールを打つだけでは満足せず、良いショットを打つために正しい打ち方、良い打ち方を身に付けようと日々努力しています。
いつも課題に取り組みながらプレーしているわけです。
そして、その取り組みがミスの量産につながります。

「えっ、どうして」と思われた方が多いかもしれませんが、答えは簡単です。
それは「考えながら打とうとするから」です。

「結論!テニスは反射で打つ」の最初の部分に書いてあるように、テニスは考えながら打てるほどヒマなスポーツではありません。
忙しすぎて考えながら打つことができない状況なのに、無理に考えながら打とうとすれば動きがギクシャクしてミスが出るのは避けられません。

頭が働くと反射が鈍くなる

テニスは、考えながら打てるほど簡単なスポーツではないのです。
それを日常生活と同じように考えて、ミスが出たら次に同じミスをしないように気を付けて打とうとしたり、良いショットを打つために身体の動きを改善しようと努力したりしているわけです。

ミスを反省して打ち方を工夫しても、同じ状態のボールは二度と飛んで来ないので反省は生かされないし、「ああしよう、こうしよう」と考えながらプレーをするのはミスするための取り組みです。
なぜなら、頭が働いている状態では身体の反射反応が鈍くなるからです。

考えながらでは素早く動くことはできないし、意識がボール以外のものに向いているときに、動くボールに対して瞬時に適切な反射行動を起こすことはできません。
プレー中はボールへの認識が少しでも甘くなったらまともに当たらないので、「考えること」は適切な反射のジャマにしかならないのです。

どうやって打てばいい?

「自分の身体は自分が意識的にコントロールしない限りうまく動かない」と考えている方は、「考えながら打つのがいけないと言うんだったら、じゃあどうやって打てばいいんだ!」と言うかもしれません。
でも、自分の身体の動きを意識的にコントロールしようとすることが、迷路にどっぷりハマっている状態なのです。

身体で覚えるための練習

思い出してください。自分がこれまでどれくらいボールを打ってきたのかを。
おそらく、打った回数を数えられる人は居ないと思います。
そして、これまで数え切れないほど打ってきたのは、考えながら意識的にボールを打つためではありません。
その真逆で、「考えなくても打てる」ようになるために繰り返し練習してきたのです。
頭ではなく「身体で覚える」ために実践を繰り返してきたわけです。

身体に染み付いた動き

多くのプレイヤーは、相手コートからボールが飛んで来たときには、それを打ち返そうとして自然に身体が動き出してしまうはずで、それを打たずにじっとしたままやり過ごすには決意が必要でしょう。

1.飛んで来るボールを見ながらそれを打ち返せるところまで移動する。
2.打つ前のボールの状態がどうなるかを予測してそれに合う動きを選択する。
3.その上で、打球を目的のところに打ち込むのに適したスイングを実行する。
という一連の作業は、長年やってきて身体に染み付いているから流れるように実行できるのであって、自分の身体を意識的にコントロールしようとしたからではありません。

動きを考えないことがスタートライン

「ああしよう、こうしよう」と考えながらプレーするのは、「ボールが飛んで来たときには常に右足から動こう」と考えるのと基本的には同じことで、自然な動きのジャマにしかなりません。
さらに、思考の指示で同時に動かせる筋肉の数は限られているので、全身を効率良く動かすのには向きません。
そのため、どこかを意識的に動かそうとすると、それ以外の部位の動きがおろそかになり、全体の動きのバランスが崩れてしまいます。
だから、意識的に打とうとすると動きがギクシャクするのですが、スポーツで全身を素早く、効率良く動かすには練習を積んで「身体で覚える」しか方法はないのです。

「じゃあ、どうやって打てばいいんだ!」という質問には、「それを考えないことがスタートラインであり、目指すべきゴール」というのが答えです。

「正しい結果⇒正しい方法」

ある程度打てるようになったら、「正しい方法⇒正しい結果」という図式を逆転させて「正しい結果⇒正しい方法」という取り組みに変えてください。
日常生活や仕事では当然「正しい方法⇒正しい結果」ですが、テニスでは「正しい結果⇒正しい方法」なのです。
プレイヤーが「正しい結果」をイメージすれば、それに適した「正しい方法」が選択されて実行されるというのが、テニスの反射の基本的な仕組みです。

目標を設定するだけ

人の身体の運動機能には「目標が設定されると、その目標が達成されるように身体の各部分の動きを総合的に組み立てる」という便利な機能があります。
(思考による組み立てではなく「脳の運動をコントロールする部分」が勝手にやってくれるのです。)
もちろんこれは「身体で覚えた運動」だけについて言えることで、考えなくてもできるようになったことに関しては、目標を設定するだけで、それを達成するために全身の運動を組み立ててくれるわけです。
(これは別に私の持論などではなく「脳の機能と運動」「脳 身体で覚える」などでネット検索すれば普通に出てくる脳科学の基本的な知識です。)

もし手に入らないのなら練習の意味がない

というより、もしも、そういう便利な機能が手に入らないのなら苦しい練習をしても意味が無いわけです。
いくら練習しても考えなければ打てないのであれば、考えながらできるスピードまでしか動きの速度は上がらず、そこで上達はストップしてしまうでしょう。
テニスがノンビリしたスポーツになってしまうわけです。

身体で覚えた運動は、目標さえ与えられれば、それを遂行するための必要な調整が加えられて実行に移されます。
「打ち方=手段」は自分の身体の中にいっぱい詰まっているので、そこには手を付けずに目標だけ設定すれば良いのです。

目標設定が欠落している

ところが、「自分の身体は自分が意識的にコントロールしない限りうまく動かない」と考えている方は目標設定が欠落していることが少なくありません。
仮に、目標が設定されていても、「正しい方法(手段)⇒正しい結果(目標)」という図式なので、目標の手前にいつも手段があるため、眼の前には常に手段しか見えていない状態と言えます。
何かをやろうとするときにはいつも、最初に「どうやってやればいいんだ」と考えるわけです。

先述したように、眼の前にある手段の課題を無責任にスルーして、その先にある目標をしっかり認識することが現状打破の道です。

苦手なショットは固定化する

特に、苦手なショットほど手段の改善案ばかりで目標設定が欠落しているケースが多いのです。
苦手だという以上、そのショットを打った経験が全く無いわけではないはずですが、それなのに打ち方の基本ばかり気にして動きを改善しようと努力するケースが少なくないようです。

でも、そこには手段の課題しか無いのでうまく打てるはずはありません。
なぜなら、目標のないショットには成功も無いからです。
普通、ショットの成功とは狙いどおりの打球が打てたことを言うのですが、具体的な狙いがなければ成功もあり得ないわけです。

そして、苦手なショットを打たなければならない局面では「またか」と思い、ミスしないように気を付けようと決心することで身体の動きに注意が向いて、そのために意識がボールから外れ、その上、目標が無いために動きに計画性がなくなっている状態ではミスしないはずはないとさえ言えます。
(「ヘタなのに狙うなんてとんでもない」と考える人が居るようですが、狙わないからヘタなままなのです。)
こうして、「苦手だ」と意識したとたんにそれが直らずに固定化していくわけです。

目標があるから

ところで、「ショットの狙い=目標」が設定されても、実際のショットが目標どおりになることはあまり多くありません。
「何だそれは!」と言われそうですが、テニスは難しいので、誰でもそう簡単にうまくいくはずはありません。
ただ、目標どおりにはならなくても、目標が欠落している状態よりは目標に近い結果が出るはずです。
なぜなら、目標があるからです。

目標設定を忘れて打ち方の工夫だけしているとショットの結果は破綻します。
「惜しい」のではなく「とんでもないところに」という結果が出やすいわけです。
そして、とんでもない結果になったのは打ち方がなってないからだと考えて、打ち方を何とかしようと決意するのですが、目標設定は失われた状態で手つかずのままです。

ショットの結果の正確な把握

目標どおりにボールが飛ばなかったときに是非やって欲しいのは、そのショットの軌道を正確に把握することです。
というのも、これをやらないと正確なフィードバックが起きないからです。
狙いと結果の誤差が正確に把握されれば、その誤差を埋めるのに必要な修正が身体の運動機能に設定されます。
(これも、「身体で覚えた運動」にもれなく付いているオプション機能なので、ぜひ有効に使ってください。)
ですから、「あぁ、失敗した」という大まかな認識からは何も生まれない仕組みなので、途中の軌道が設定とどれくらいズレたのか、着地点は何cmの誤差なのかをきちんと知る必要があります。

そして、一番やって欲しくないのは、反省して工夫することです。
先述したように、ミスの次に訪れる状況は前回と違うので、前回の反省は生きないし、反省して加えられた意識的な運動修正ではやりすぎが起きやすいからです。
ショットの結果を正確に把握せずに、アウトしたらもっと短く、ネットしたらもっと高くというような雑な修正では、ネットの後にアウト、アウトの後にネットという行ったり来たりの状態に陥りやすいわけです。

ボールの動きを計画する

テニスはボールの動きでポイントが決まるスポーツなので、ボールに良い動きをさせることが勝ちやすさにつながります。
ですから、ボールの動きを計画すべきなのですが、そこで、ボールではなく身体の動きの計画のほうが優先されたら、勝つための取り組みとは言えなくなってしまうでしょう。

打球イメージの無責任な高望み

そして、上達のために必要なのは「ボールの動きの計画のバージョンアップ」です。
自分が打てる範囲の打球をイメージしている限り、それより打球が良くなるはずはありません。
ですから、「打球イメージの無責任な高望み」が上達へのルートなのです。
「無責任な」というのは、今できていないことを方法論の根拠なくイメージするだけだからです。
「こうすればこういうボールが打てる」という道筋を考えることなく、打ちたい打球軌道のイメージだけを設定することが、そこへの到達を早めてくれるでしょう。

「考えながら打つ」ことを完全に放棄する

「上達への回り道」は、1.目標が無く2.結果の正確な把握も無い状態で、3.打ち方の工夫だけ繰り返す取り組みです。
そこから抜け出すには「考えながら打つ」ことを完全に放棄することです。

動きの改善には数え切れないくらいの繰り返しが必要

もしも、動きを改善したいのであれば、練習でその動きを数え切れないくらい繰り返して、身体で覚えてからでないと本番では使い物になりません。
その練習については、球出しや壁打ちなどの定番的な動きが繰り返しできる状態が望ましいので、フリーの打ち合いでは時間をかけても習得効率は低いでしょう。
そして、何回かやってみて「できた」と思うのは勘違いで、そこからが本番で、無心でできるまで何度も繰り返すのが身体で覚えるための練習です。

ショートカットはない

その過程をパスして実際のプレーで実行しようとすれば、
⇒考えなくてもできる状態にはなっていないので考えながらやろうとする。
⇒考えながらできるほどテニスはヒマでノンビリしていない。
⇒ミスの原因を自分から作っている状態。

打ち方の工夫という出口の無い迷路からの脱出

テニスのプレーが反射で成り立っていることを理解すれば、「ああしよう、こうしよう」という思考が適切な反射のジャマにしかならないことがわかります。

「打ち方の工夫という出口の無い迷路」から抜け出すことが
上達への正規ルートです。

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