ラケットが合っているかわからない

ラケットが合っているかどうか
自分ではわからない/まとめ

自分の打球を見ない

ラケットはプレイヤーの運動をボールに伝えるための道具ですが、その「運動の伝わり方」はラケットの良し悪しによって大きく変わります
いくらハードヒットしても、飛んで行く打球に勢いが無かったりするのは、運動の伝わり方が悪いということで、そういう状態では深さのコントロールも安定しなくなります。
ですから、ショットの結果はラケットの影響を強く受けます。

ということは、使っているラケットが自分に合っているかどうかは、「ショットの結果」や「コート上で起きていること」を観察すれば、的確に判断することができるわけです。
でも、多くの場合、「ショットの結果」や「コート上で起きていること」はきちんと観察されません
なぜなら、プレー中は3秒前後という短い間隔で連続的に打ち続けるため、打った後、すぐに次のボールが飛んで来ます。そのため、自分の打球の状態を正確に把握する時間的余裕が持てないからです。

試合中、多くのプレイヤーは自分が打つとすぐに相手プレイヤーの動きを見ようとしますが、それは、相手が何をしようとしているかを早めに知ることができれば、前もって準備することができるからです。
でも、相手プレイヤーの動きを見ているということは、その間、自分の打球はよく見ていないということで、次にボールを見るのは相手が打ったあとになります。
その結果、自分の打球がかなり失速していても、それを自覚できるケースはかなり少ないということです。
ラケットが合っているかどうかで「打球の状態」にはハッキリした違いが出るのですが、それをきちんと観察しているケースはとても少ないため、使っているラケットの良し悪しを判断する材料にはなっていないわけです。

もう一つの判断材料
ラケットによって打ち方が変わる

ラケットの特性の違いによって、ボールの飛び方が変わるので、ラケットを持ち換えるとショットの結果が変わります
そして、そうした結果はすぐにプレイヤーにフィードバックされて打ち方が変わります
飛びやすいラケットで打球がアウトすると、次からは抑えた打ち方になり、飛ばないラケットで打球が短くなると、次からは力を入れて打つようになるわけです。

つまり、ラケットの特性が変わるとプレイヤーの動きが変わるので、そうした動きの変化を見れば、ラケットの相性が判断できます
変に抑えた動きになったり、ムダに力んだりしないラケットが良いわけです。

無意識的な反射運動の変化は
自分ではわからない

でも、ボールを打つときの動きの変化を自覚するのは、自分の打球の状態を把握するよりさらに難しいでしょう。
なぜなら、ボールを打つときの動きは無意識的な反射運動であり、しかもそれは飛んで来るボールの状態に合わせて毎回変化しているからです。
毎回同じスイングをしているのであれば話は別ですが、無意識的な反射運動が打つたびに変化している中では、ラケットの違いによる運動の変化は自覚しにくいわけです。

同じ打点の高さで打つ場合でも、ボールが上昇中なのか、水平移動なのか、下降中なのかによって、面の向きやスイングの軌道が変わらなければなりませんが、プレー中にそうした違いをきちんと把握できる方はほとんど居ないと思います。

その理由は、自分の動きの変化に注意を向けるとボールへの集中力がガクンと低下するので、とたんにミスが増えるからです。
ですから、飛んで来るボールの状態に合わせてプレイヤーの打ち方は毎回変化しているのですが、どのように変化しているかを認識するのは容易ではありません。

そして、そうした動きの変化を把握するのが難しい場合は、ラケットの持ち換えで打ち方が変化しても自分ではわからないわけです。
ラケットドックの参加者に感想を聞いても、「リラックスして打てるようになった」というような大ざっぱな把握ができればまだ良いほうで、自分の動きの違いが全くわからないというケースがほとんどです。

打った感じで判断すると
失敗することが多い

ここまで書いてきたように、ラケットの特性の違いは「打球の状態」と「プレイヤーの動き」に影響するのですが、その二つとも、ボールを打っているプレイヤー自身にはわかりにくいようです。
そのため、多くの場合、プレイヤーが感じる打球感、つまり、「打った感じ」でラケットの良し悪しを判断するようです。

なぜなら、「打った感じ」は身体に直接伝わる刺激なので、特に注意を向けなくても把握できて、しかも記憶に残りやすいからです。
でも、先述したように、「戦力がアップするラケット」と「打った感じが好きなラケット」は一致しないことが多いので、判断を間違えて勝ちにくいラケットをわざわざ選んでいるケースが少なくありません。

ラケットによる戦力の違い

合うラケットはプレイヤーの力を発揮しやすいだけなので、それを使ったからといってプレイヤーの戦力が上がるというわけではありませんが、逆に、合わないラケットを使うと大幅な戦力ダウンになります

合わないラケットでは余計な運動が必要なのでプレイヤーの負担になり、ただでさえ複雑で難しいテニスの動きがさらに複雑になってミスが増えます
ですから、「プレイヤーを助けてくれるラケット」は無いのですが、「プレイヤーの足を引っ張って勝ちにくくさせるラケット」はたくさんあるわけです。

そういう仕組で、合わないラケットから合うラケットに持ち替えたときの戦力的な違いは大きいのです。

ムダな力みや変な萎縮がなくなると、プレー中の爽快感は増し、しっかり打たなくてもポイントが取りやすくなります。

ラケットのせいにする勇気

ミスをラケットのせいにしたりすると、「責任転嫁」という言葉が頭に浮かんだり、仲間からツッコまれたりするので、「ラケットなんて関係ない」という立場を取るのが潔いと考えるのが普通ですが、以下のような症状について、100%自分の技術のせいだと考えている限り、問題解決の糸口が見つかりにくいでしょう。

しっかり打ち込んでいるのに簡単に打ち返されることが多い
スッポ抜けのアウトが多いので回転をかけると今度は短くなりすぎてしまう
力を抜こうとしてもどうしても力んでしまう
アウトとネットが多くて適切な深さに打つのが難しい
ボレーのガシャリが多い
飛んで来るボールへの動き出しがいつも遅い
高い打点から打ち込むのが苦手
スイングが萎縮している感じで開放的に振り抜けない
ショートラリーが難しい
ドロップショットがうまく打てない
安定した球出しができない

というようなことは、技術的な問題とばかりは言えず、合わないラケットで引き起こされるケースも多いようです。

「ラケットが合っているかどうかを自分で判断するのは難しい」ということをきちんと理解すれば、「使っているラケットには全く問題はない」と信じ込むのがいかに無謀であるかがわかります。

無意識的な反射運動と
ラケットの関係

「テニスのプレーは無意識的な反射運動で構成されている」などとは、これっぽっちも思っていない方は、プレー中は自分の意思に基づいて行動していると考えるため、そこで起きたことを自分以外のモノのせいにすることができません。

自分がやったことなのだから全て自分の責任だと考えるわけですが、そこから始まる「ミスを防ぐためにもっとこうやって打とう」という取り組みによって事態がさらに悪化することについては、ここまで繰り返し述べてきました。

テニスプレイヤーであれば誰でも、そのとき使っているラケットで打球が相手コートに入るように打とうとします。
そうでなければ、自分の相手をしてくれる人がコートに居なくなるからです。

ですから、どんなラケットを使っても、そのラケットでミスにならないように打とうとします

ということは、ラケットの特性の影響を受けずにボールを打つことは誰にもできないわけですが、常に自分の考えた動きでボールを打っていると考えている人は、「ラケットのせいでこんなスイングになってしまった」などという発想は持てないわけです。

でも、「テニスのプレーは無意識的な反射運動で構成されている」ことを前提にして考えられれば、自分のプレーとラケットの関係を、それまでとは全く別の角度から把握することができます。

ということは、「無意識的な反射運動という前提を認めるかどうか」と「ラケット選びの判断」には密接な関係があるわけで、そこが「適切なラケット選び」ができるかどうかの分岐点とも言えるでしょう。

無意識的な反射運動が
改善するラケット

合うラケットでは、負けたときも「やるだけやった」という気がするのに対して、合わないラケットは「実力が発揮できなかった」とか「何だか損をしている」というような感じがあります。

「やるだけのことはやっているのに報われない印象が残る」という場合は、使っているラケットのと相性を一度は疑ってみても良いでしょう。

プレー中の動きが無意識的な反射運動であることを前提にすれば、その反射運動が良くなるようなバックアップが必要であり、それには、適切なラケットを選ぶことも重要な要素であることを忘れないで下さい。


以下はこの記事グループの構成です。

テニスラケットの良し悪しは自分ではわからない

テニスのショットは「無意識的な反射運動」!?

1.打点の高さに応じたスイング軌道の変化

2.ボールのスピードに対応するためのスイング調節

3.ボールの移動方向に合わせたスイング調整

4.飛んで来るボールの回転に合わせたスイング調節

「テニスプレイヤーがコート上で無意識的にやっていること」

「上達への近道」—その1.自分の打ち方は自分の自由にはならない

「上達への近道」—その2.ミスを減らすために必要なこと

「上達への近道」—その3.打ち方を直すには

テニスでは上達を自覚できない

ラケットが合っているかどうかは自分ではわからない—まとめ(現在のページ)

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