ブランクで調子の悪いとき
ブランクで調子の悪いとき
天候や仕事などの都合でプレーできない日が続くことがありますが、そういう場合、再開した日は以前より調子が悪いのが普通です。
そして、スタートでつまらないミスが続くと「練習不足だから仕方ない」と思ってしまうのですが、そんなとき、ブランクの影響をできるだけ小さくするには、というテーマで書かせていただきます。
テニスは身体で覚えた動きでボールを打つスポーツですが、一度身体で覚えたことは、実はそう簡単には失われません。
小さい頃に自転車に乗れるようになった人は、久しぶりでもうまく乗れるはずです。
ですから、ブランクによって技術力が落ちたと考えるのは早計かもしれません。
そこで、ブランク明けでミスが多発したときのことをちょっと思い出してみてください。
ボールが目の前に突然現れるという現象が起きてはいないでしょうか。
あるいは、飛んで来るボールが連続的には見えず、コマ送りのように途切れ途切れで見えたりはしないでしょうか。
もしそうなら、ブランクによって低下したのは運動能力ではなく動体視力です。
プレー中はボールに集中し続けることが必要ですが、時速30〜100Kmくらいで動く物体に注目し続けるという行為は日常生活ではあまりやらないことです。
そのため、ブランクがあるとボールが「見慣れない動きをするもの」になってしまうわけです。
ブランクによって技術的にヘタになったのではなく目がヘタになったわけです。
誰でもプレー中はボールを見ているのですが、その見え方には人によってかなりの違いがあるようです。
ラケットドックの参加者に「ボールが回っているのは見えていますか」と聞くと、「えっ!」という表情をする方がいるのですが、そういう方は、動くものがハッキリ見えないのは当然だと考えているようです。
ただ、ハッキリ見えないものに対しては、ハッキリした動きで対応することはできないので、インパクトのポイントを探るようなスイングになって打球スピードが出にくくなります。
ちょっとブランクがあったときは、練習のスタートでしっかりボールを見続けるように意識してみてください。
そして、ボールを目で追うのではなく、待ち受けるような見方ができれば、インパクト前のボールのフェルトの毛が見えて、すぐに調子が戻ると思います。