ラケットドックの内容のご紹介

テニスはとても忙しい
⇒動きの変化を自覚できない

テニスプレイヤーであれば誰でも、ラケットを持ち替えれば打ち方が変わるのですが、テニスはとても忙しいスポーツなので、自分の打ち方の変化などに注意を向けるとすぐにミスが出ます。
そのため、ラケットを持ち替えて打ち方が変化しても、その変化を自覚できる方はとても少ないのです。
そして、こうしたことは技術程度には関係なく、特に、上級者ほどボールへの集中度が高いので自分の身体の動きには注意が向きません。
ですから、プレー中の動きの変化を自覚するのは難しいわけです。

余計な運動調整が
プレーのジャマをする

当然ですが、ラケットの持ち替えによって起きる動きの変化には望ましいものとそうでないものがあります
そして、飛びの悪いラケットで力んだり、飛びすぎるラケットで萎縮したりなどの「余計な運動調整」は望ましくないわけです。
テニスは忙しい上にとても難しいスポーツで、飛んでくるボールの状態に合わせて毎回微妙に打ち方を調節しないと狙いどおりのところに打ち込むことができませんが、そんなところに「余計な運動調整」が入ると、動きに狂いが生じてミスが出やすくなります。

良い変化と悪い変化の
分岐点はラケット

合わないラケットでは余計な力みが生まれて運動の負荷が大きくなり、それに反比例して、打球の勢いと安定性が失われます。
さらに、打つときに身体のバランスが崩れやすくなり、フットワークもドタバタします。

その逆に、身体に合うラケットでは余計な負担が減って、一生懸命打っている感じが減少します。
そして、身体の動きがリラックスしてくると打球の伸びと勢いが増して、ショットの結果のバラツキが減って安定性が高まります。
ラケットが合うか合わないかは、そうした変化の分岐点なのです。

プレー中はとても忙しいので、自分の動きの変化に意識を向けにくい上に、その変化が望ましいものかどうかを自分で判断するのは困難です。
ラケットドックでは、経験豊富な専門スタッフがプレイヤーの動きの変化と打球の状態を客観的にチェックして、最も良い動きが出てくるラケットを選び出します。


●ラケットドック実施の流れ

トータル2時間の中で5名のフィッティングを行ないます。
フィッティングは一人あたり10分~20分程度かかりますが、一人一人順番に行ないますので、その間、他の方は、ご自分の希望するモデルを自由に試打していただきます。

対象者はコーチから順次手渡されるラケットを打ち続け、その動きと打球の変化をコーチが観察し、候補ラケットを持ち替えながらベストフィットモデルを探していきます。

グランドストロークを中心に、プレイヤーとラケットの相性を診断します。
ショット別に相性の違いが出ることはありませんが、特に気になるショットがあれば、ご相談ください。

●フィッティングの進め方

ラケット・フィッティングは、ある意味で人体実験の繰り返しといえます。
ラケットを持ち替えて起こる変化をチェックしながら、プレイヤーの反応を確認していきます。

一般的に、ご自分のプレーを固定的なものだと思っている方が多く、「自分の打ち方にはどのラケットが合うのか」と単純に考えてしまうようです。

でも実際には、判断のベースとなるご自分の打ち方そのものが、ラケットを持ち替えることによって変化します。

変化する前の動きにフィットするラケットを探すのではなく、良い変化が起きるラケットを探す作業ですので、どうしても実験的にならざるを得ないわけです。
そのため、実際に打ってみなければ、合うかどうかは判断できません。

テニスラケットのフィッティングとは
ラケットを持ち替えるとプレイヤーの運動が変化します。「ラケットフィッティング」は、コート上でボールを打っているときの身体の動きと打球の状態が変化する様子を観察して、一人一人のプレイヤーに合うラケットを見つけ出すサービスです。…

●テニスは「調節して入れるスポーツ」

ラケットを持ち替えて2~3球のラリーで、ほとんどのプレーヤーはさまざまな調節をし始めます。

本人は意識せずに打っているのですが、スイングの方向やインパクトでの力加減、体全体の力の入り方、足の蹴り、体軸の傾きなど、さまざまな部分に変化が現れます。

テニスは「打球を相手コートに入れるスポーツ」なので、性能の違うラケットでもネットやアウトが出ないように打つためには、プレイヤーの動きが変化せざるを得ないのです。

●ストリングセッティング

無理のないスイングを実現するためには、ラケット自体の性能ももちろん大切ですが、ストリングの硬さも重要な要素となります。

ラケットドックでは同じモデルを2本づつ用意して、それぞれのストリングの硬さを面圧で3ポイント変えて使用していますが、面白いのは、その2本を打ち比べて全く異なるラケットだと思った方が居たことです。

片方はベストなのにもう片方は全然ダメという印象で、ストリングセッティングでラケットのフィーリングが大きく変わるというのがよくわかります。

●ベストフィットモデルの条件

どんなラケットを使っても相手コートに入れようと調整するのであれば、結局「ラケットは何を選んでも同じ」ということなのでしょうか。

結論からいうと、余計な調節をしなくて済むラケットがベストフィットだといえます。

普通につなぐショットでもスイングのどこかに力みがあったり、逆にアウトさせないために力を抜いたりというような調整は、その度合いが大きければ大きいほどショットを繰り返して成功させるのが難しくなります。

テニスは1、2回良いショットを打っても勝てないスポーツなので、ショットの成功率を高いレベルで安定させることが必要で、打つたびに無理な調整をやっていると、ショットの成功率が低下して打球の勢いも出ません。

一番無理のないスイングが維持できるラケットがベストフィットです。
不要な力みが消えて、なおかつ、本人のスイングパワーが十分に生かせるようなラケットを使うことで、ショットの安定性が高まり、ゲームが長引いても調子の良い状態を保つことができます。

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