ラケットが合わなくても気づかない
ラケットが合わなくても
気付かない
体験しなければ違いがわからない
「ラケットが自分に合っているかどうか」を正しく判断するには、合うラケットでプレーした経験が不可欠のようです。
なぜなら、合うラケットの気持ちの良さや爽快感を知らないと、合うラケットと合わないラケットの違いが感覚的にわからないからです。
合わないラケットによって背負わされている負担は、それが取り除かれたときに、初めて、それまでずっと、負担を背負ってプレーしていたことに気付くという性格のもののようです。
なので、気付くキッカケがなければ、合わないラケットに特に不満を感じることもなく、そのまま使い続けることになります。
使ったことがある人は意外に少ない
そして、合うラケットを使ったことのある人は意外に少ないようです。
テニスワンでは、2003年から「ラケットドック」という名称の「ラケットフィッティング・サービス」を開始して、これまで10,000名以上の方にご参加いただきましたが、その結果、ご自分で選んで使っていたラケットが合っていたケースはほとんどありませんでした。
慣れ親しんだ自分のラケットより、ラケットドックに用意されている初対面のラケットのほうが、ショットが安定したり、打球の勢いが増したり、無駄な力が抜けたり、動きが躍動的になったり、というようなことが起こるわけで、ということは、それまで使ってきたラケットが「合うラケット」ではなかったということです。
偶然出会う可能性はとても低い
なぜそんなことになってしまうのかについては理由があります。
合うラケットを構成する要素は三つもあるため、それらがすべて適切でないと合うラケットにはならないので、偶然そういうラケットに出会える可能性は、確率的に見てかなり低いからです。
1.モデル選択が適切で、かつ、2.スイングウェイト(参照⇒スイングウェイトとは)の選択が適切で、その上さらに、3.ストリング・セッティング(参照:ストリング・セッティングについて)が適切な場合にのみ合うラケットができあがります。
ですから、合うラケットとは、同じマークが3列そろわなければ「当たり」にならないスロットマシンのようなものだとご理解ください。
「モデル選択」「スイングウェイト「ストリング・セッティング」という三つの要素すべてが適切な場合だけが「当たり」で、これらのうちのどれか一つでも「外れ」なら、総合的にアウトだということです。
確率0.1%!
「モデル選択」「スイングウェイト選択」「ストリング・セッティング」という三つの要素ごとに10ずつの選択肢があった場合、同じ「適切マーク」が三つ揃う確率は、1/10×1/10×1/10=1/1000=0.1%ということになります。
実際には、それぞれの選択肢はもっと多いので、合うラケットに偶然に出会える可能性は限りなく低いわけです。
ほとんど忘れられている二つの要素
自分に合うラケットを探そうとして、モデル選びに頭を悩ましている方は多いのですが、そのとき、「スイングウェイト選択」と「ストリング・セッティング」という2つの要素が、頭の中からスッポリ抜け落ちている、ということはないでしょうか。
合うラケットを構成する三つの要素全てが適切でなければアウト!ですので、「モデル選択」以外の二つのうちのどちらか片方が適切でないだけで、どんなモデルもフィットする可能性が消えてしまいます。
ということは、「スイングウェイト選択」と「ストリング・セッティング」に無関心でいる限り、いくら試打を重ねても、合うラケットに出会える可能性はほとんどないといっていいでしょう。
美味しい料理を作ろうとしているのに、調理法や味付けのことは無視して、素材選びだけに没頭しているような状態なので、たとえどんなに良い素材が見つかっても、美味しい料理にはならないのと同じです。
知らないうちに損をする!?
ラケット選びに悩んでいないテニスプレイヤーの多くは、「ラケットなんてどれを使っても大した違いはない」と考えているようです。
あるいは、「ラケットに頼るのは責任転嫁だ」と考える人も少なくないようです。
でも、ラケット以外のものでボールを打つことができない以上、ラケットの影響を受けずにプレーすることはできません。
ですから、ラケットに影響されていないと思うのは、影響されていることに気付いていないだけなのです。
そして、ラケットがプレーに与える影響を自分自身で把握するのはとても難しいので、気付かないうちに損をしている可能性も十分に考えられます。
もしかすると、もっと勢いのある打球が楽に打てるラケットが他に有るかもしれません。
ラケットの負担が取り除かれれば、それまで課題だと思い込んでいたことが、課題でなくなる可能性があります。
知らないうちに損をしている状況から抜け出すために、「自分のラケットも、もしかすると合っていないのかも!?」と一度は疑ってみる必要があると思われます。
ラケットがプレーに与える影響を自分自身で把握するのはとても難しいので、テニスワンのラケットフィッティング・メニューを、ぜひご利用ください。