ラケットが重いと振り遅れるは誤解

ラケットが重いと振り遅れる!?

テニスは、プレー中、ずっと手にラケットを持って振り続けるスポーツなので、使用するラケットを選ぶときには「重さ」を重視する方は多いようです。

特に、腕力にあまり自信がない方は、重さの負担が気になるので、軽めのラケットを選ぼうとする傾向があるようです。
でも、軽ければと安心だと思い込んでいると想定外のところで損をすることもあるので、その辺のことを知っておいていただければと思います。
最初は、「重さはそんなに重要か!?」です。

重さはそんなに重要か!?

スイングウェイトが同じ280のラケットが2本あって、一方の重量が300gで、もう片方が320gであった場合、その20gの重量差はグリップ部分で生じていると考えられます。
スイングウェイトについてはこちらをご覧ください
なぜなら、フレームのトップに近い部分に重量の差があると、それによってスイングウェイトの数値が大きく変わるのに対して、グリップ部分の重量差はスイングウェイトにはあまり影響しないからです。
なので、スイングウェイトが同じで重量が違う場合は、その違いはグリップ部分の重量差だと判断できるわけです。

普通は、300gと320gのラケットでは、320gのほうがかなり重く感じそうだなと考えるのが普通ですが、でも、実際にはそんなことはありません。
スイングウェイトの数値が同じ場合、振る(スイング)ときの重さの負担(ウェイト)は変わらずに、手の中にあるグリップの重さが20g違うだけです。

そして手の中の重さが増えても減っても、長いものを振り出す時の負担(スイングウェイト)にはほとんど関係しません。
さらに、20gというのは10円硬貨4~5枚分程度の重さです。
手の中に10円玉を5枚握りこむかどうかで、手を動かすときの負担感や速度が変わる方は、生まれたての赤ちゃん以外はあまり居ないと思います。

ですから、300gと320gのラケットでは、重量面のハードさで別ジャンルのような先入観を持ってしまうことが多いのですが、取り回しの面では大差ない可能性があるとお考えいただいて良いでしょう。
「大差ない可能性がある」というのは、スイングウェイトの数値次第で重さの印象が大きく変わってしまうので、320gのラケットがスイングウェイトも重い場合は、文字通り重いと感じてしまうからです。

つまりは、操作性の重さ負担を決めるのは重量ではなくスイングウェイトということです。

重量の数値の落とし穴

重量が280gでスイングウェイトが300のラケットと、300gでスイングウェイトが280のラケットでは、操作上で大きな違いがあります。
もちろん、重く感じるのは「重量が280gでスイングウェイトが300のラケット」のほうで、ボレー・ボレーの練習などはあまりやりたくないくらいの負担感になるでしょう。

重さの数値がもたらす印象とは正反対の結果になるわけです。
現実問題として、重量設定が279gのラケットでスイングウェイトが310以上あるケースや、その逆に、重量設定が320gのラケットでスイングウェイトが260くらいしかないケースなどが実際にあります。
ですから、重量の数値だけを目安にして考えていると、ちょっと危ないわけです。

重量が軽くても打ち負けないケースがある

「ラケットが軽いと打ち負けやすくて、逆に、重いと安定する」というのも、重量で考えている限り、正しくありません。
「重量設定が320gのラケットでスイングウェイトが260くらいしかないケース」では、重量はしっかりあるのに打ち負けます。
「重量設定が279gのラケットでスイングウェイトが310以上あるケース」では、重量は軽いけれどスイングウェイトが重ければ相手の強打に打ち負けません。

スイングウェイトが重くても振り遅れは起きない

ここまでの内容で、ラケットを振るときの重量感や負担感を決めるのは、重量ではなくスイングウェイトだということをおわかりいただけたと思いますが、それでは、スイングウェイトが重ければ振り遅れは起きやすくなるのでしょうか。

取り回しが重ければ、それによって振り遅れやすくなりそうな気がしますが、実際にはどうなのでしょう。
結論を言うと、スイングウェイトが重くても、それが原因で振り遅れが続くということは、現実的にはないようです。
なぜなら、人には適応力というものがあるからです。

重さに慣れて運動が調整される

スイングウェイトの軽いラケットから重いラケットに持ち替えたときの最初のショットでは、ラケットが急に重くなるので振り遅れる可能性が高いでしょう。
でも、何回か打つと、その重さの操作感に慣れるので、振り遅れは起きなくなるのが普通です。
誰もが敬遠するような特殊な重さでない限り、変化した重さに対応した動きになるので、その後もずっと振り遅れ続けることはないわけです。

準備が遅いのはラケットの重さとは関係ない

振り遅れが起きやすい人は、ラケットが重くても軽くても、それとは関係なく振り遅れます。
なぜなら、振り遅れは、ラケットを振るという行為の負担によって発生するのではなく、ボールを打つための運動のスタートが遅いから起きるので、そのこととラケットの重さは無関係だからです。

待ち合わせにはいつも遅刻して来るという人がたまに居ますが、その人が遅刻するのは、出かける準備をし始めるのが遅いことが原因なので、その人の手荷物を軽くして、身軽に動けるようにしてあげても遅刻のクセは治らないでしょう。

普通は、「振り遅れ=ラケットを振るという行為が遅れた」と考えがちですが、実際には、ラケットを振るための準備をスタートさせる段階からすでに遅れているわけです。

振り遅れ気味のタイミングから、それを挽回するために、急激にラケットを振るときなどは、スイングウェイトが軽いほうが良いかもしれませんが、そういうことがメリットに感じるくらいに頻繁に発生するなら、そのこと自体が改善すべき課題だと言えます。

自分がネット近くにいて、相手のボレーが身体に向かって飛んでくる、というようなラケットの緊急操作が必要な場合は、スイングウェイトの重さは動作の遅れにつながるのですが、ストロークなどで時間がある場合に振り遅れが出るのは、重さ負担によるものではないと判断したほうが現実的でしょう。

スイングウェイトが軽すぎると不利

実際問題として、ラケットが「ただ振るだけのもの」であれば、軽ければ軽いほど楽なのは間違いありません。
でも、ラケットの使用目的はただ振ることではなく、飛んで来るボールを打ち返すことです。
そして、スイングウェイトが軽くて軽快に振れるラケットは、実際にボールを打つ時には、飛んで来るボールの勢いに負けてしまうので、ボールの抵抗を受けて軽快に振り抜けなくなります。

打球衝撃が強いと、ゴツンという手応えを受けてヘッドスピードがそこで大きく減速するので、スルッとは振り抜けなくなるのです。
基本的に、ボールを打つときに力が入る人はインパクトで打ち負けているのですが、スイングウェイトが必要以上に軽いラケットは、誰にも例外なくその症状をもたらします。

約60gのテニスボールが実戦的なスピードで飛んできたときに、スイングウェイトが軽すぎるラケットは打球衝撃が強くなるので、プレイヤーにパワーがあってもなくても、つい力んでしまうのを防ぐことはできないでしょう。
そして、残念なことに、力んで打つと打球は失速しやすくなるので、ムダに疲れるだけです。

また、スイングウェイトが軽すぎるラケットを使っている方は、ショートラリーやボレーが苦手だったりすることが多いのですが、ショートラリーでは力が入るために長さのコントロールがうまくできなかったり、ボレーでは腕に力が入るのでガシャることが多くなったりするのが、その原因のようです。

ラケットは軽いほうが楽だと考えていると、このような想定外の問題を抱え込む可能性があるわけです。
元来、テニスラケットを選ぶときは、「~のほうが良い」と考えるのは結構危なくて、「どちらでもないちょうどいいレベルが良い」と考えるのが無難のようです。

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