テニスラケットの選び方で困っているプレイヤーのお手伝いをします! テニスラケット専門店【 TENNIS-ONE 】
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テニス用ガットの基礎知識


●素材が良ければ味付けはシンプルに
フレームに張るガットの種類と張り上げの硬さ(ストリング・セッティング)については、「ラケットの性能をより生かすにはどうすれば良いかと」いう方向で考えている方が少なからず居ると思われます。
ですが、ちょっと方向性を変えたほうが良いかもしれません。

料理に例えると分かりやすいかも知れませんが、「素材が良ければ味付けはシンプルで良い」とお考えください。つまり、フレームの特性がプレイヤーに合っている場合は、味付け、つまり、ストリング・セッティングは標準的なものが良いということです。良い肉であれば、味付けは塩コショーだけで十分に美味しいわけです。

ラケットが合っていなくて何か不満を感じる場合、ストリング・セッティングで工夫するというのはアリです。つまり、不満の解消のためにセッティングを変えるのはアリなのですが、特に不満はないのに、ストリング・セッティングを変えれば今よりもっとパフォーマンスが良くなるのでは、とは考えないほうが良いでしょう。
プラスアルファを探すのではなく、マイナスを解消する方向で考えたほうが、間違いが少ないということです。

当たりの感触がマイルドなもの、ホールド性が高いもの、弾きの鋭いもの、良く飛ぶもの、飛びを抑えたもの等々、ストリングの特性はいろいろありますが、そうした特徴的なものを使うということは、ラケットの性能を変質させることです。
変えたことで何かが良くなるかもしれませんが、それとは別のところでデメリットが発生する可能性があります。
ですから、変える前に合っていたラケットが、ストリング・セッティングを変えることで合わなくなってしまうということが十分考えられるわけです。

日本人の場合、ホールド性の高いマイルドな感触のストリングを好む傾向があるようですが、普通のストリングで良い打球が出ているのに、感触の好みを優先してストリング・セッティングを変えた場合、前より打球の勢いが出にくくなるというケースもあります。
ホールド性の高いマイルドな感触のストリングは価格が高めなので、価格の分だけ何か良くなるのではと考えられがちで、私どもも、そうしたものを張っていただいたほうが儲かるわけですが、プレー上、マイナスの影響が出る可能性があるわけです。

現在、私どもが最も標準的な性格のアイテムと考えているのは、バボラ/ブリオ130です。
マルチフィラメント系のナイロンですが、ハッキリした弾き性能を持っており、張り上げ後のストリングの伸びも出にくいため、コストパフォーマンスの良いアイテムだと判断しています。

バボラ/ブリオ130 TENNIS-ONE張上価格 3,400円(税込3,570円)

このアイテムより何か良いものはというご質問があった場合、弊害が出ずにパフォーマンスが良くなると判断できるのは、バボラのナチュラルでVSチーム125(張上価格税込7938円)です。
ナイロンと異なり、マイルドなホールド感と鋭い弾きが両立していて、回転量のコントロールが容易です。


●硬すぎるケースが多い
最近の傾向として、ストリングマシンの性能向上にともない、張り上がりが硬すぎるケースが増えているようです。
以前と同じテンションで張っても、張り上がりが以前より格段に硬くなりやすいのです。これについては、フレームに記載してある適正テンション範囲が十数年前から変わっていないことも影響しています。
ラケットメーカーは、張り上がりの硬さというものにあまり興味を持っていないようです。

マシンの性能が変わっても、実際に適切な硬さに張り上げられていれば問題はないのですが、ここに深刻な問題があります。
それは、多くのケースで張り上がり時のストリング面の硬さを計測していないという問題です。料理を作って味見をしないのと同じで、これではどんな仕上がりになったのかが分かりません。

何ポンドで張ったというのは、あくまで使用したマシンの設定値であって、それで結果的に、ストリング面がどういう硬さに仕上がったか(面圧)というのは、専用の面圧測定機械で測らないと分かりません。
その測定機を備えていない場合が多いのですが、そういう場合は張りっぱなしということです。

そうしたことから、フレームに書いてある適正テンション範囲を鵜呑みにして張ったら、硬くなりすぎてしまったというケースが多いのですが、レシピどおりの調味料を使ったら激辛に仕上がってしまったということと同じです。
ただ、できた時に味見をしてないため、それが辛いのかどうかも分からない状態で使っていて、テニスエルボーになって初めて気が付いたという事例が何件もあります。

テニスのプレーで使うのは、ストリングマシンではなくテニスラケットですので、張る時のマシンの設定値がいくつであったかは、プレーに関係ありません。
ストリング面がどの程度の硬さに張り上がったのかしか意味がないのですが、その部分が無視されているケースが多いのがテニス界の大きな問題だと考えます。



●硬さのチェック
ストリングの硬さについては、硬いほうが良いのか柔らかいほうが良いのかというような議論が多いようです。例えば、スピンをかけるには、ストリングは硬いほうが良いのか柔らかいほうが良いのかとか、ボレーが打ちやすいのはどっちかとかの議論ですが、答えはいたってシンプルで、そのどちらでもなく「ちょうど良いのが一番」ということです。

その「ちょうど良い硬さ」を探すにはどうすればいいでしょうか。
それには、同じフレームが何本か有れば簡単にチェックできます。
打ち比べて、打球感が一番希薄なものが、その日に合っているセッティングです。
これはショートラリーでも比べられますが、通常のストロークであれば、打球音はするけれども打球感が軽いというか、小さいというか、そういうふうに感じられるものがその日のベストセッティングです。

ラケットは、プレイヤーのパワーをボールに伝える道具ですが、ボールと実際にコンタクトするのはストリングですので、とても重要な位置にあります。
プレイヤーの運動がスムーズにボールに伝わった場合、パワーは行ったきりになって戻ってきません。一方通行で、ラケット側には何も残らないわけです。
ところが、プレイヤーの運動がスムーズにボールに伝わらなかった場合、何かがそこに残ってしまいます。その何かとは「打球の衝撃」です。
プレイヤーのパワーをボールに全部伝えきれず、ムダになってしまったものが「打球衝撃=打球感」なのです。

しっかりした手応えがあった時に良いショットを打ったと誤解しているケースも多いようですが、インパクトの手応えは単なる「伝達ロス」です。手応えが大きければ大きいほど、パワーがうまく伝わらずに逃げてしまったということです。
ですから、プレイヤーのパワーが無駄なく打球に伝わるセッティングは、打球衝撃が一番小さいものです。

フィットするセッティングより硬すぎる場合は、ゴツンという鋭角的な感覚が残り、柔らかすぎる場合はズシンという重さを感じることが多いようです。何も感じないのがベストということです。

●合うセッティングは日替わり!?
多くのプレイヤーは、自分に合ったストリング・セッティングを探そうと考え、良い感じが見つかると、それをずっと継続しようとします。一年中、同じセッティングで通そうとするわけです。
その結果、ある時期は調子が良くても、別な時期は調子が良くないということが起こりやすくなります。その仕組みは以下のようなことです。

同じセッティングでも、日によって打球感覚が変わります。
思いどおりに飛んだり、思いどおりには飛ばなかったりするわけですが、普通はそういう場合、プレイヤーの調子の変化だと理解されることが多いようです。

ボールの飛びはプレー環境の変化に大きな影響を受けて、日によって良く飛んだり飛ばなかったりします。
私どものやった実験では、20℃くらいの温度変化で5~6mの飛びの違いが出ることが把握されています。
季節の変わり目では、前日との温度差が10℃位になることも珍しくありませんが、それによって、一日で3mくらい飛びが変わることになるわけです。

その他、コートサーフェスの違いでもボールの飛びが変わります。速いコートほど良く飛んで、遅いコートほど飛ばないわけです。

ですから、夏の高原のハードコートでプレーすると、アウトして当たり前のような状態になります。気温が高いことと飛びの出やすいコートサーフェスに加えて気圧が低いことで、飛びやすい条件が三拍子揃ってしまうからです。
逆に、冬のナイターでオムニコートでプレーをしたら、力んで打っても飛ばないわけです。

テニスエルボーには、秋口に始まって冬に間は持ち越して、春になったら治るという発症傾向がありますが、低温時にボールの飛びが悪いことが影響している思われます。

プレー環境の変化でボールが飛んだり飛ばなかったりすることを理解していれば、「今日の自分はどうしたんだ」と自分を責めることが少なくなるでしょう。
ある時期、ストロークがうまく打てなくなるのは、自分の調子のせいではなく、気温変化に合わせたセッティング調整ができていないせいだということも分かるでしょう。

自分に合うストリング・セッティングを探そうとせずに、その日の自分のプレーに合ったストリング・セッティングを探そうと考えていただくと、調子の波が少なくなるでしょう。

ラケットが1本しかないと比べられないので、セッティングの合う合わないが分かりません。
同じラケットが少なくとも2本有って、セッティングを少し変えてあれば、日によって合うほうが変わるのが分かります。
それによって、調子が悪い時に自分のせいなのか、ラケットのせいなのかが区別できて、余計な努力をしなくて済むようにになります。
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