テニスラケットの選び方で困っているプレイヤーのお手伝いをします! テニスラケット専門店【 TENNIS-ONE 】
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 ラケットについてのさまざまな誤解
● コントロール性能の高いラケット
そんな便利なラケットは存在しません。
カーボンフレームにストリングを張っただけのテニスラケットには、ボールをコントロールするような高度な機能は付いていません。
メーカーカタログなどでも、ラケットのパワーとコントロールを対比させて、良く飛ぶラケットはコントロールしにくく、飛びを抑えたラケットはコントロール性が高いというような説明もあるようですが、飛ばないラケットがコントロールしやすく感じるのは、パワーが余っているプレイヤーだけです。
あまりパワーのないプレイヤーが飛ばないラケットで無理して振っているようでは、身体のバランスも崩れやすく、そんな状態で打球のコントロールが安定するはずはありません。
イメージするだけでそこにボールが打てる状態がコントロールしやすいということなのですが、それは単に、ラケットが合っている時に生まれる現象なので、コントロールしやすいラケットはプレイヤー1人1人で異なります。
そのため、ラケットの性能評価として「コントロール性」というものがあると考えるのは適切ではなく、誰もがコントロールしやすく感じるラケットというものは存在しません。
誰かがコントロールしやすいと言ったラケットが、自分にもコントロールしやすいラケットである可能性はあまり高くはないのです。
● スピン性能が高いラケット
コントロール性能と同様にスピン性能というのも、ラケットの性能ではありません。
打球に順回転をかけようとするとき、一番重要なのはヘッドスピードです。インパクトでボールがストリング面に接している時間はとても短いため、その限られた時間内でボールに回転をかけるためには、インパクトポイントをラケットヘッドがナナメ上方向に高速移動する必要があるからです。
打球の回転量を決めるのはインパクト時の上方向への移動速度ですが、それが速いということは簡単に言えば、きれいに振り抜けているということです。
飛びすぎるラケットを使うと、アウトが怖くて思い切り良く振り抜くことができません。
その逆で、飛ばないラケットで強い手応えを感じながら打っている状態は、実際には相手の打球に押されて打ち負けているわけですが、打ち負けてラケットヘッドが減速しているような状態では、満足に回転をかけることはできません。

きれいに振り抜けるラケットを選べば、ボールに回転をかけるのは容易です。
インパクト後に腕に変な力感が残らず、スイングの力がスムーズに解放されている時、ラケットヘッドが減速せずに、スイングのエネルギーがボールにスムーズに伝達されるわけですが、そういう状態が作り出されていれば回転量のコントロールは簡単です。
そして、そういう状態が作り出せるかどうかは、プレイヤーとラケットの相性で決まります。誰もが同じようにスピンがかけやすいと感じるラケットはないのです。

ラケット自体がオーバーパワーであるため、スピンをかけないとコートに入りにくいという状態はあるかもしれませんが、それをもって「回転をかけやすいラケット」と呼ぶより、「回転をかけないと入らないラケット」と呼ぶほうが適切でしょう。
● 難しいラケットを使いこなす努力をしたほうが上手くなる
そんなことはありません。上達が遅くなるだけです。
もともとテニスは、コート上を走り回りながら、2~3秒間隔で連続的に、制限された範囲内にボールを打ち返し続けるという、とても難しいスポーツです。
難しいことをやるのに難しいと感じる道具を選ぶのは、かなり自虐的な選択だと言えます。
少なくとも、ゲームに勝つことを考えれば、その選択が不合理であることは明白です。

上級者がフェースが小さくフレーム厚が薄いラケットを好んで使うのは、上級者だからそういう難しい道具が使いこなせるようになったということではなく、そういうラケットのほうがプレーが簡単だからです。
彼らにフェースの大きい厚いラケットを使わせれば分かりますが、そうしたラケットではミスが増えたり、打球の勢いが無くなったりするでしょう。
彼らにとってはフェースの大きい厚いラケットは「使いこなすのが難しいラケット」なのです。

難しいと感じるのはそのラケットが合っていないということです。わざわざ合わないラケットを選んで、それを使いこなす努力をするのは時間の無駄以外の何ものでもないでしょう。
テニスラケットについては「苦労すれば報われる」ということは基本的にありません。苦労した分だけ時間が浪費されると考えたほうが間違いを防げるでしょう。
● フレームショットが多いからフェースサイズは大きい方が良い
フェースを小さくすると真ん中に当たらないというのは、単に気持ちの問題です。
フェースサイズを大きくしてもフレームショットは減らないでしょう。

90平方インチと100平方インチ、100平方インチと110平方インチというように、フェースサイズが1段階アップすることで、フェースの直径は約1cmほど拡大します。
逆に言えば、フェースサイズを1段階大きくしても、半径で5mmくらいしか拡大しないのです。
100平方インチのフェースの中心からフレームサイドまでの距離は12cmくらいですが、それが12.5cmになったからといって、フレームショットを減らす効果があると期待するのは無理でしょう。
90平方インチのラケットから2段階アップさせて110平方インチのラケットに持ち替えても、12cmから13cmに1cm拡大するだけなので、フレームショットを減らす上ではあまり有効だとは思えません。

また、ボールの飛んでくる軌道は通常、曲線を描いており、ラケットヘッドの動く軌道も曲線で、二つの曲線が出会う場所は1点だけです。
直線的に飛んでくるボールに対して、ラケットが直線的に迎え撃つように当たるのであれば、インパクトの時間がずれても、それが原因で中心に当たらないということは起こらず、フェースの拡大によってフレームショットを防ごうという試みも少しは有効になるかもしれませんが、物理的にボールは直線的には飛ばず、人の身体構造もラケットを直線的に振るようにはできていません。
フェースが移動する軌道とボールの軌道がともに曲線だとすれば、ボールの中心とフェースの中心点が出会うのは限られた一瞬だけなのです。
その理想的な一瞬から千分の数秒タイミングがずれるだけで、ボールが当たる場所はフェースの中心から数センチもずれます。5mmや1cmくらいフェースが拡大しても、まさに焼け石に水なのです。
フレームショットやオフセンターヒットが発生する主な原因は、空間的なズレではなく、時間的なズレなのです。
オフセンターヒットは場所の間違いで起きるのではなく時間のズレで起きるため、そうしたインパクトのタイミングミスを、フェースサイズを大きくすることで解消しようとしても、根本的な解決にはならないでしょう。
● フェースが大きいほうがボレー向き
飛んでくるボールに対して、ラケットをあまり動かさずに待っているというイメージでボレーを考えている方が多いようです。
そうしたイメージをベースにすると、ラケットのフェースは広いほうが上手く当たりやすいと考えるのは当然だと思われます。
ですが実際には、ボレーはラケットを振らずに待っているショットではありません。

止まっているボールは外から力を加えないと動きませんが、飛んでくるボールはそれ自体が衝突エネルギーを持っています。
ノーバウンドで飛んでくるボールはコート上で一度弾んだボールより速度が速いため、大きな衝突エネルギーを持っています。
そのため、ストロークより振らなくても、飛んできたボール自体のエネルギーで跳ね返って飛んでいきます。
こうした理由でボレーのスイングはストロークより小さくなりますが、それは全くラケットを振らないということではありません。
振らずに待っているというイメージでは、飛んでくるボールの勢いに負けて面がぶれるか、打ち返せたとしてもボテボテの打球になってしまうでしょう。
振り幅は小さくなっても、振らなければボールが前に飛ばないという点ではストロークと同じなのです。
ですから、そこで起こるオフセンターヒットやフレームショットをフェースの広さでは解消できないということもストロークと同様です。

そしてさらに、通常のボレーでは、打球に勢いを与えつつ深さをコントロールするためにスライス系の当たりになります。ボールに向かってラケットヘッドが下降しながら当たるわけです。
フェースが大きいほどボールの飛びも良くなりますので、逆に言えば、フェースの大きいラケットほどスライス回転を多くして飛びを抑える必要が出てきます。
ということは、フェースが大きいラケットほど、インパクト時にラケットヘッドが急激に下降する必要があるということで、それはつまり、フェースの中心に当たりにくくなるということです。
フェースの大きいラケットのほうがボレーしやすく感じるプレイヤーも居るのですが、誰もがそうであるということではありません。人によっては、そういうラケットのほうがオフセンターヒットが増える可能性もあるのです。
● 良く飛ぶラケットのほうがボレー向き
この誤解も、ボレーはラケットを動かさずに当てて返すというイメージから来るものだと思われます。

確かに、ネットに密着して相手コートのどこにボールを落としても良いという条件下であれば、良く飛ぶラケットで当てるだけというやり方は良いかもしれません。
しかし、現実的にはボレーを打ち込む場所は限定されており、そこに行かなければ逆襲されるという局面がほとんどです。
コントロールを気にせずにはボレーすることができない以上、良く飛ぶラケットも、飛びの悪いラケットと同様にボレーしにくいことには変わりありません。

とっさにラケットを出しただけのボレーで適切な深さにボールが飛ぶというのがボレーしやすいラケットです。
イメージした深さに打つためにインパクトでちょっと押す感じになったり、逆にスライスで逃がす感じになったりするラケットでは、そうした調節ができない「とっさの時」にネットやアウトが待っています。

飛ばすようにスイングしないとボールが飛んでいかないラケットではボレーしにくいのは当然ですが、楽に飛んだほうがボレーしやすいと考えるのは正しくありません。
● 飛ばないラケットのほうがストローク向き
飛ばないラケットのほうが、インパクトのタイミングがちょっとずれたくらいではアウトしにくいということはあるかもしれません。
思いきり打ってもコートに入ってくれるのではないかという期待感もあります。

ですが、それをもって、飛ばないラケットのほうがストローク向きだと考えるのはちょっと早いでしょう。
飛ばないラケットで打たれた打球がコートに入るのは、文字通りボールが飛んでいないからです。
飛ばないラケットでハードヒットしてもアウトしにくいということは、飛んでいったボールが勢いを無くしてコートにポトリと落ちている状態です。
この状態をハードヒットだと思っているプレイヤーが多いのですが、実際にはアクションばかりがハードになって、簡単に打ち返されるイージーボールしか生まれないので「ハードアクション&イージーボール」という状態です。
ちょっと間違えたらバックネットを直撃するくらいの打球が、しっかり押さえ込まれてコートに入っている状態がハードヒットなのですが、押さえ込まなくてもコートに入っているのは単なる失速ボールです。
飛ばないラケットを使って打球をコートに入れようと考えている限り、失速して入ることを目指しているわけで、そこからは強い打球は生まれないでしょう。
アウトを防ぐために飛ばないラケットを選ぼうとすると、体力の浪費が待ち受けています。
● 飛ばないラケットを使えばアウトが減る
実際は逆のことが起こります。飛ばないラケットのほうがアウトが増えるのです。
飛ばないラケットほど回転をかけると球足が短くなってしまうので、深く打つためには回転量が減る傾向があります。飛ばないラケットほど回転の少ない棒玉が出やすくなるのです。
また、飛ばないラケットを使うと、プレイヤーはもっと力を使って飛ばそうとします。
飛ばないラケットというのは言い換えれば、プレイヤーの力が上手く打球に伝わらないラケットです。
そういうラケットでは振っている割にボールのスピードが上がらないので、さらに力を入れて振るようになります。
その結果、力んで打った打球が押さえが効かずに上に抜けてしまうことが多くなります。

硬式テニスで使われるのは高圧の気体が封入されたゴム製のボールです。そのため、コンクリートの地面にただ落とすだけでも良く弾みます。
つまり、そんなボールは鉄板で打っても結構飛んでしまうわけで、それを、ラケットを飛ばなくすることでボールをコートに入れようと発想すること自体が非現実的なのです。

ラケットで飛ばないようにするのではなく、逆にもっと飛ばして、その飛んでいく力を回転に変換してボールを押さえ込んでコートに入れるようにしないと、現実的な組み立てにはなりません。
● 振り抜きやすいラケット
振り抜きやすいという性能を持ったラケットはありません。

フェースが小さいラケットや、構造的に空気抵抗を軽減したラケットについて「振り抜きが良いラケット」と評価されることが少なくありません。
確かに、ボールを打たずにただ振るだけであれば、そうしたラケットは振りやすいと感じるかもしれません。
でもそれは、ラケットの正しい使い方とは言えないでしょう。ラケットの性能はボールを打った時にどうかということで、ボールを打たない時のフィーリングにはあまり意味がないわけです。

そして、ボールを打った時に振り抜きが良いかどうかはプレイヤー毎に変わります。
フェースが小さくて空気抵抗が小さいからといって、そのラケットでは飛びのパワーが足りないというプレイヤーが使った場合は、打ち負けて気持ち良く振り抜けないでしょう。
プレイヤーのスイングエネルギーがインパクトでボールに上手く伝わるかどうかで、振り抜き感は変わってきます。
力が上手く伝わらずに、インパクトでボールと押し合いをしているような状態では、腕に力が入ってスムーズな振り抜き感は得られません。
スイングエネルギーが伝わるかどうかはラケットとプレイヤーの相性の問題ですので、振り抜きやすいと感じるかどうかも、ラケットとプレイヤーの相性次第というわけです。
誰もが振り抜きやすいと感じるラケットはありません。
● ラケットが重いと振り遅れる
そんなことはありません。振り遅れるのは別な原因だと考えたほうが解決につながるでしょう。
取り回しの重さ(スイングウェイト)が軽いものから重いものに持ち替えると、振り出すために前より大きな力が必要になるため、持ち替えてすぐの時には振り遅れが発生しやすいと言えます。
ただ、そのままその状態がずっと続くほどテニスプレイヤーは単純ではありません。
基本的にミスをしないように打つのがテニスプレイヤーの本能ですので、一度振り遅れたら、今度はもう少し早い時点から力を入れ始めるなどの順応変化が起こり、いつまでも同じように振り遅れるということはありません。
スイングウェイトの数値が異常に大きい場合を除き、使い慣れたラケットで振り遅れが発生している時、それより軽いラケットに持ち替えて振り遅れを解消しようとしても効果は出ないでしょう。
● 自分に使いこなせるかどうか
使いこなそうする取り組みそのものが不要です。
スポーツ用品に上級者用と初心者用があった場合、初心者用はすぐに使いこなせるが大した性能は持っていないのに対して、上級者用はとっつきは苦労するかもしれないが、使いこなせれば高い性能を発揮するというようなイメージがあるようです。
確かに、そういうイメージがそのまま当てはまるスポーツジャンルもあるようですが、テニス用品については、そうしたイメージでは選択を間違えてしまうでしょう。
使いこなすのが難しいラケットは、ただ使いにくいだけです。それを努力して何とか使えるようになったとしても、難しくてミスしやすいという状況は変わらないでしょう。無理して難しいラケットを使いこなしても、何もメリットはないわけです。

サイズの合わないウェアは着心地が悪く動きにくいものですが、それを「着こなせていない」と感じる方は少ないのではないでしょうか。
ましてや、そのサイズの合わないウェアを着こなそうと努力することも普通はあり得ないでしょう。
ラケットも同じです。プレーに合っているかどうかという判断は成り立っても、使いこなしているかどうかという判断は成り立たないのです。
● 熟年プレイヤーには厚ラケが良い
そうとは限りません。歳を取ったからといって、良く飛ぶラケットを使わなければならないなんてことはありません。
病気などの何か特別の原因で筋力や体力が急激に落ちたというのでなければ、ラケットの性能を極端に変える必要はないでしょう。
テニスは本来、力でボールを打つスポーツではありません。
ラケットが振れればボールが打てるわけで、そこに腕力はあまり必要ではありません。
打球のスピードはヘッドスピード次第で決まります。ラケットを速く振ることができれば、強い打球を打つことができます。
力を使わずにラケットを速く振る身体の使い方が身に付いていれば、そのスイングスピードが急に落ちるとは考えにくいのです。
厚くてフェースの大きい良く飛ぶラケットを使うと、そのパワーが必要以上に大きい場合、スイングを抑制しなければコートに入らなくなります。
スイングにブレーキをかけたり、スイングの力を逃がしながら打ったりという状態では、逆に、身体の負担が大きくなる可能性もあり、何より、そんな状態ではミスが増えて勝ちにくくなります。
年齢だとか、性別だとか、初心者だからとか、そんな上辺だけのレッテルに頼って、個人個人の特性を無視したラケット選択ではフィットするわけはありません。
● パワーのあるラケットを使えば打球の威力が増す
-----なんてことはありません。
テニスでは制限された範囲内に打球を着地させないとポイントを失います。
ゴルフのティーショットのように、できるだけ飛んだほうが展開が有利になるということはありません。
ゴルフでも、100ヤードのアプローチショットを打つのにドライバーを引っ張り出す人は居ませんが、それと同じ理由で、制限された範囲内にボールを落とさねばならないのに良く飛ぶラケットを選ぶ必要はないのです。

テニスではホームランはミスショットです。出すべき結果は常に同じですので、道具の性能が変わった場合はそれに合わせてプレイヤーの動きを変えないと、同じ結果は出せなくなります。
つまり、ラケットのパワーが大きくなった場合は、プレイヤーのパワーを小さくする必要が有るわけです。そうしないと、ラケットが飛ぶようになった分、そのままアウトが増える結果になってしまいます。
ラケットのパワーとプレイヤーのパワーを足して10というレベルになっている場合、その状態で制限された範囲内に打球が入っているのであれば、パワー合計が9とか11になるとミスショットになります。
つまり、ラケットのパワーが1大きくなると、その分、プレイヤーのパワーを1マイナスする必要があるのです。
ラケットのパワーが増しても、プレイヤーがパワーを抑えて振るようになると、打球の勢いは落ちます。
プレイヤーが元気よく振れなくなる分、かえって、打球の勢いが無くなる可能性が高いといえます。
● ボレー向きのラケットとストローク向きのラケットは違う
ラケットの助けを借りてある種類のショットを改善しようとすると、このように考えてしまうかもしれません。
フェースの大きいラケットや飛ぶラケットのほうがボレーしやすいと考えたり、飛ばないラケットのほうがストロークが打ちやすいと考えたりするわけですが、そのベースにあるのは、ショット別に適した性能のラケットを選べばショットのパフォーマンスが向上するという思いでしょう。

これは私ども独自の考え方で、一般的な常識とは一致しませんが、ラケットにはプレーを助ける機能は無いと私どもは考えています。
プレー上の不都合な部分を解消するところまでがラケットの役割で、その不都合な部分は人それぞれで異なるため、個々のプレイヤーに対して合うラケットを見つけ出す必要があるのですが、ラケットができるのはそこまでで、プレイヤーのできないことをできるようにアシストするラケットは無いと考えています。

ラケットの機能は薬と同じようなもので、その人が健康になるまでがその役割で、それ以上を期待するとおかしなことになることが多いようです。
ラケットの助けでショットを改善しようとすると、ラケットが薬ではなくドーピング剤のようになり、それによって仮に、当初の目的が達成されたとしても、別なところに弊害が出る可能性が高いといえます。

テニスのショットはいろいろ名前を付けられて分類されていますが、プレイヤーがラケットを持ってボールを打つということでは基本的に変わりはなく、同じプレイヤーが打っている限り、あるショットでは上手く力が伝わるのに別なショットでは伝わらないということはないと言えます。

合わないラケットの弊害は多くのプレイヤーが受けており、適切なラケット選択でプレー能力がグンと向上することはありますが、それはあくまで本人のプレー能力がラケットに邪魔されずに発揮できるようになっただけで、本人の能力以上のプレーができるようになったということではありません。
また、そういう状態では、ショット別にラケットの向き不向きが発生することもありません。

ボレーがしにくいと感じるラケットと、ストロークが打ちにくいと感じるラケットはあるかもしれません。
ただそれは、そのどちらかのショットに合わないラケットの被害が大きく出ているか、あるいは、どちらの弊害を本人が強く感じているかの違いだけで、基本的にそのラケットが合っていないということでは同じなのかもしれません。
● 楽なラケットを使っているとうまくならない
苦労したから、その分上手くなるというものでもありません。
難しいラケットを使っても、それが難しいラケットだと感じる限り上達が遅くなるだけです。
ただし、自分では楽をしていると思っているだけで、実際にはちっとも楽をしていないというケースもあります。
フェースが大きくてフレームが厚いラケットは楽ちんラケットだと思われていることが多いようです。
確かに、良く飛ぶラケットはそれほど力を入れなくてもボールが飛んでくれます。
ただ、テニスは制限された範囲内にボールを打ち返し続けるスポーツなので、飛び過ぎるラケットほど力加減が微妙になり調節が難しくなります。
打つたびに慎重さが要求されるラケットでは、かえって身体の負担も増し、なにより、プレーしていて楽しくないでしょう。
必要以上に飛ぶラケットでは、コートに入れるために身体の動きを抑え込まなければなりません。その状態は決して楽ではないのです。
それより、気楽に振り抜いてもアウトしないくらいの飛ばないラケットに持ち替えたほうが、気持ちも身体も楽になります。
良く飛ぶラケットを使うと、楽にテニスができると考えるのは誤りです。
● フェースが小さくて薄いラケットは上級者用
別に、そんなことはありません。
基本的にフェースサイズが小さいほどボールが飛ばなくなります。
また、フレームの厚さについても、薄いほどボールが飛ばないというのがスペック上の基本です。
つまり、フェースが小さくて薄いラケットは、かなりボールが飛ばないということです。
ただ、それだからといって、必ずしも上級者用とは限りません。
初心者であっても、パワーがあってスイングスピードが速ければ、そういうラケットのほうが打ちやすいかもしれません。
単に飛ばないというだけですから、技術程度とは関係ないわけです。
ですから、パワーもなく、スイングスピードも速くないプレイヤーが、上級者っぽく見られたいからという理由でこういうラケットを使うと負けやすくなります。
ゲームで勝ちたいのであれば、上級者っぽく見えるかどうかなどとは関係なく、自分のパフォーマンスが最高に発揮できるラケットを選ぶべきです。
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