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▼ ラケット選び応用編 ~同じモデルでも性能が違う!?
1本1本性能が異なる
ご存じですか?同じモデルでもラケットの性能は1本1本異なるということを!

もちろん、ストリング・セッティング(どんなストリングをどんな硬さで張るか)によってラケットの性能は大きく変わりますが、この話はそれとは関係なく、同じストリングを同じ硬さで張った同じモデルでも、ラケットの性能は1本1本異なるのです。
その原因はスイングウェイトの違いにあります。同じモデルであってもスイングウェイトの数値にはバラツキがあり、およそ20~30くらいの幅があります。

同じラケットでも価値が違う
同じモデルで、スイングウェイトが270、280、290という数値のものがあった場合、一般的なプレイヤーが使うことを前提にすれば、TENNIS-ONEの判断では、
   270⇒×
   280⇒○
   290⇒△   という評価になります。

つまり、「270は買わないほうが良い、280はGOOD!、290はまあ良いのでは」という判断です。
もちろん、テニスラケットは趣味嗜好品に属するものですので、どんな価値基準で選ぶのかは購入する方の自由ですが、ラケットフィッターとしての立場から言えば、上記のような判断になるということです。私どもから見ると、同じ価格で売られている同じモデルでも、これだけの価値の違いがあるということです。

些細な違いではない
同じモデルでもスイングウェイトに違いがあるという話を聞いても、「そんな細かいことまでは分からないし、正直、どうでも良いんじゃない」と思われる方が多いと思います。でも、スイングウェイトの影響はそれほど些細なことではないのです。

スイングウェイトはスペックを超える
例えば、以下の2モデルで楽に打てるのはどちらでしょうか。

WILSON/ TOUR BLX 95
(フェースサイズ: 95平方インチ、フレーム厚:22mm、設定重量:289g)
WILSON/ KOBRA TEAM FX
(フェースサイズ:100平方インチ、フレーム厚:26mm、設定重量:299g)

ラケットについて多少知っている人であればスペックの数値を見ただけで、フェースサイズが大きく、フレームが厚いKOBRA TEAM FXのほうが飛ぶということがわかります。でも実際は、そうとは限らないのです。その理由はスイングウェイトにあります。
スイングウェイトの数値が、TOUR BLX 95 のバラツキ幅が290~320くらいなのに対し、KOBRA TEAM FX のバラツキ幅が250~275くらいです。

スイングウェイトの数値はボールを飛ばすパワーですので、数値の差が40ポイントもあれば、外形スペック上のパワー性能を簡単に飛び越えてしまうわけです。
つまり、スペック的には飛ぶはずのKOBRA TEAM FXのほうが、TOUR BLX 95 より飛ばないということが起こるのです。

「フェースサイズが95のラケットなんてハード過ぎて使えそうもないし、100平方インチの中厚ラケットのほうが楽そうだから」と思ってKOBRA TEAM FXを選んだら、実はこちらのほうがハードで飛ばないということが起こるのです。
ですから、
スイングウェイトの数値の影響は無視できるほど小さくないのです。

必ずしも適正範囲ではない
ラケットには1本1本スイングウェイトのバラツキがあり、その数値の大小によって振った感じはもとより、ボールの飛びや打球感が変わります。
そして、現在市場に出ているラケットのスイングウェイトが、
必ずしも適正な範囲に収まっているとは言えないのが現実です。

スイングウェイトが軽すぎる場合と重すぎる場合の両方があるのですが、実際には、重すぎるケースより軽すぎるケースのほうが多いようです。そして、
プレー上の弊害は軽すぎるケースのほうが大きいと言えます。

スイングウェイトが軽すぎる弊害
スイングウェイトが軽いということは取り回しが軽いということですので、振る時に楽だと思ってしまいがちですが、実際にはそうではありません。確かに、ラケットを振るだけであれば軽くて楽なのですが、テニスの場合はラケットを振るだけではなく、ボールを打って飛ばさなければなりません。この「打って飛ばす」ということについて、スイングウェイトの軽すぎるラケットはとても不利なのです。

硬式テニスのボールは約60gあります。この60gのボールがある程度の勢いで飛んでくると、スイングウェイトが軽すぎるラケットでは打ち負けてしまうのです。その結果、毎回力を入れて打たねばならず、手応えが大きくて疲れるのと同時に打球の勢いも出ず、ミスも増えます。何も良いことがないのです。

スイングウェイトでラケットの価値が変わる
ですから、同じモデルでもスイングウェイトが270のラケットと280のラケットでは、プレーする上での使いやすさが大きく変わります。力を入れなければ深く打てないラケットと、自然に振れば深さが出るラケットとでは、プレーに使う上での価値が違うといっても良いでしょう。
同じモデルでもそんな違いがあるということをほとんどの方は予想していませんので、スイングウェイトは
ラケット選びの落とし穴と言っても良いでしょう。

人に合わせるよりボールに合わせる
スイングウェイトの選択については、力がある人は重いもの、力がない人は軽いものを選ぶという考え方もありますが、そうした考えとは別に、約60gのボールを実戦レベルの打球スピードで打ち合うための適切な数値範囲というものがあります。そこから外れれば、軽くても重くても弊害が出ることが予想されます。
打ち合うボールをベースに考えると、個人個人に合わせて選ぶことができる幅は意外に狭いのです。

モデル名だけでは分からない
ラケットについての多くの議論がモデル名だけでなされていますが、実際にラケットを選ぶ際には、そうした「モデル名だけで語られる情報」は、あまり役に立たないとお考えいただいたほうが良いでしょう。
モデル名だけでは比較ができない
新たにラケットを選ぼうとする際は、それまで使っていたラケットについての不満があったり、「もっとこうだったら良いな」という希望があったりしますが、それらは基本的に今までのラケットと比較することで具体的になります。

「今のラケットだと強いボールに打ち負けることがあるから、それを解消したい」という要望があった場合、その解決策には、「ラケット自体の性能の面からのアプローチ」と、「スイングウェイトの面からのアプローチ」と、「ストリングセッティングの面からのアプローチ」の3つのルートが考えられます。

ですがその場合、今使っているラケットのモデル名しか分からない状態では、どのアプローチも実現しません。ラケットの性能面からのアプローチだけでもできそうなものですが、それができるのは「他の2つの要素が一致している」というケースだけなのです。

例えば、ラケットのパワーを上げれば打ち負けなくなるという方向でモデルを選ぼうとしても、そのラケットのスイングウェイトが今までより大幅に軽い場合は、ラケットのパワーアップは実現せず、解決にはつながりません。ストリングセッティングについても同じようなことが言えます。

使っているラケットのモデル名しか分からない状態で、次のラケットについてあれこれ検討して選ぼうとするのは、自分がどこに居るのか分からないのに目的地へのルートを探すようなものです。
まず、今どこに居るのかをはっきりさせないとどこにも行けないのと同じように、使っているラケットのスイングウェイトとストリングセッティングが明確にならないと、身体に合うラケット選びが具体化しません。

スイングウェイトと現状面圧の計測がラケット選びのスタートラインです。ラケット選びのご相談の際には、是非お使いのラケットをTENNIS-ONEにお持ち下さい。
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